中加首相が会談、李氏は関係強化呼びかけ カーニー氏「対話再開重要」

中国の李強首相は6日、カナダのカーニー首相と電話会談し、中国はカナダと協力し、両国関係を健全で安定した軌道に乗せたいと表明した。マレーシア・クアラルンプールで5月代表撮影(2025年 ロイター)
[北京/オタワ 6日 ロイター] - 中国の李強首相は6日、カナダのカーニー首相と電話会談し、中国はカナダと協力し、両国関係を健全で安定した軌道に乗せたいと表明した。また、対話の強化を通じて互いの懸念に対処する解決策を見出したいとの意向を示した。
国営新華社通信によると、李氏は「両国の間に根本的な利害の対立はない」と述べた。
「両国政府は国民の声に耳を傾け、それに応え、友好的な協力関係を深め、相互理解と信頼を高めるために一層の努力をすべきだ」と呼びかけた。
また、中国は多国間主義と自由貿易を守るためにカナダと協力する意思があると述べた。
カーニー首相は電話会談後に記者団に対し、李首相との電話会談は長年冷え込んでいた中国との「関係を再調整するプロセスの始まり」との認識を示し、「いくつかの理由から、中国との対話を再開することは極めて重要だ」と述べた。
同時に、中国との間には対応すべき二国間の貿易紛争が多数あると指摘。合成麻薬「フェンタニル」を巡る問題にも言及した。ただ、カナダ政府がこれまで懸念を表明してきた中国の人権問題については具体的に言及しなかった。
カナダは昨年10月、中国製電気自動車(EV)、鉄鋼・アルミニウム製品に対し関税を導入。中国は3月、対抗措置として26億ドル超相当のカナダ産農産物・食品に関税を課すと発表した。中国はまた、カナダ産菜種に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始しており、9月に終了する予定だ。
中国はカナダにとって第2位の貿易相手国だが、最大の貿易相手国である米国とは大きな差がある。中国税関総署によると、2024年のカナダの対中輸出は470億ドルだった。