ニュース速報
ビジネス

中加首相が会談、李氏は関係強化呼びかけ カーニー氏「対話再開重要」

2025年06月07日(土)03時37分

 中国の李強首相は6日、カナダのカーニー首相と電話会談し、中国はカナダと協力し、両国関係を健全で安定した軌道に乗せたいと表明した。マレーシア・クアラルンプールで5月代表撮影(2025年 ロイター)

[北京/オタワ 6日 ロイター] - 中国の李強首相は6日、カナダのカーニー首相と電話会談し、中国はカナダと協力し、両国関係を健全で安定した軌道に乗せたいと表明した。また、対話の強化を通じて互いの懸念に対処する解決策を見出したいとの意向を示した。

国営新華社通信によると、李氏は「両国の間に根本的な利害の対立はない」と述べた。

「両国政府は国民の声に耳を傾け、それに応え、友好的な協力関係を深め、相互理解と信頼を高めるために一層の努力をすべきだ」と呼びかけた。

また、中国は多国間主義と自由貿易を守るためにカナダと協力する意思があると述べた。

カーニー首相は電話会談後に記者団に対し、李首相との電話会談は長年冷え込んでいた中国との「関係を再調整するプロセスの始まり」との認識を示し、「いくつかの理由から、中国との対話を再開することは極めて重要だ」と述べた。

同時に、中国との間には対応すべき二国間の貿易紛争が多数あると指摘。合成麻薬「フェンタニル」を巡る問題にも言及した。ただ、カナダ政府がこれまで懸念を表明してきた中国の人権問題については具体的に言及しなかった。

カナダは昨年10月、中国製電気自動車(EV)、鉄鋼・アルミニウム製品に対し関税を導入。中国は3月、対抗措置として26億ドル超相当のカナダ産農産物・食品に関税を課すと発表した。中国はまた、カナダ産菜種に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始しており、9月に終了する予定だ。

中国はカナダにとって第2位の貿易相手国だが、最大の貿易相手国である米国とは大きな差がある。中国税関総署によると、2024年のカナダの対中輸出は470億ドルだった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中、9日にロンドンで通商協議 トランプ氏が発表

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、雇用統計受け利下げ急がずと

ワールド

米、中国の原発向け関連機器の輸出許可を停止=関係筋

ワールド

中国、米大手自動車向けレアアース輸出に一時許可付与
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが、今どきの高齢女性の姿
  • 2
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 3
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「朝の1杯」と「心地よい運動」の使い方
  • 4
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 5
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    ガザに向かうグレタ・トゥーンベリの支援船から救難…
  • 9
    ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタク…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「銀」の産出量が多い国はどこ?
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中