トルコCPI、5月は予想下回る前年比+35.4%に減速 利下げ観測

トルコ統計局が3日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比35.41%上昇した。写真は、イスタンブールのショッピングエリア。2023年7月、イスタンブールで撮影(2025年 ロイター/Dilara Senkaya)
[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比35.41%上昇した。前月の37.86%から減速し、75%を超えていた1年前の半分以下となった。
ロイターがまとめたアナリスト予想の36.1%も下回った。
前月比の伸びは1.53%と、アナリスト予想(2.0%)を下回った。4月は3.0%だった。
前年比の伸び率は教育費が71.67%、住宅価格は67.43%、食品・ノンアルコール飲料は32.87%だった。
ロイター調査によると、インフレ率は2025年末までに約30%へ低下すると見込まれているが、依然として中央銀行の予想である24%を上回っている。
5月の生産者物価指数(PPI)は前月比2.48%上昇した。前年比では23.13%の上昇だった。
統計発表を受け、市場では利下げ観測が浮上。銀行株が5.3%上昇、主要株価指数も2.5%値上がりした。
中銀は4月に金融緩和路線を転換し、利上げを実施した。
ヤティリム・フィナンスマンのチーフエコノミスト、エロール・ガーカン氏は「インフレが予想以上に良好だったため、6月の会合での利下げ期待が高まるだろう」と指摘。
同氏は、翌日物金利(現行49%前後)が政策金利(同46%)に収束すれば、6月19日の会合で利下げが実施される可能性があるとの見方を示した。6月に利下げが見送られても、中銀が口頭で利下げを示唆する見通しという。