5月ロイター企業調査:今期為替140円台が7割強、米関税巡る急変対応「特になし」78%

5月のロイター企業調査で今期の想定為替レートを聞いたところ、約半数の企業が140─145円未満と回答、145円ー150円未満と合わせて7割強の企業が1ドル=140円台に設定していることが分かった。2017年6月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Tetsushi Kajimoto
[東京 22日 ロイター] - 5月のロイター企業調査で今期の想定為替レートを聞いたところ、約半数の企業が140─145円未満と回答、145円ー150円未満と合わせて7割強の企業が1ドル=140円台に設定していることが分かった。米関税政策をめぐるドル/円相場急変への対応については78%の企業が「特になし」と回答した。
調査は5月7日―16日。調査票発送企業は504社、回答社数は224社だった。
想定為替レートでは140円─145円未満が47%、145円─150円未満が26%、次いで135円─140円未満が19%となった。
為替相場の動向について「変動幅がここ何年か大きすぎて困る」(運輸)、「安定化を進めて欲しい。できれば現在のレートで」(輸送用機器)など、相場の安定を望む声がある。
また円安については「輸出分野にとってメリットがあるが、過度な円安はガソリン価格等の国内物価上昇を伴うため消費が鈍くなり国内需要低迷の恐れがある」(化学)、「国富の流出の方が深刻。過度な円安是正が望まれる」(卸売)という意見もみられた。
想定為替レートを130円台と回答した企業からは「円高基調の継続を想定」(輸送用機器)、「若干の円高傾向が続く」(サービス)などの声があった。
望ましいドル/円レートの水準を聞いた昨年10月の企業調査では、140円台が46%、130円台が30%で、今回の想定レートはほぼその水準に沿ったものとなっている。
トランプ関税を巡っては、米中貿易戦争・世界景気後退を想起させることから、ドル売りの動きが強まり、4月22日には一時139円台まで円高が進んだ。
米国関税政策を巡る円相場の急変にどのように対応するか、との質問には「為替予約の本社集約」が11%、「先物活用などヘッジ多様化」が9%、「決済権限変更」が2%となる一方、「特になし」と回答した企業が78%と多数を占めた。
「各国でヘッジ」(化学)、「顧客との為替変動リスク折半」(金属製品)などの回答があった。
(梶本哲史 グラフィック作成:照井裕子 編集:石田仁志)