ECB、2%を下回る水準へ利下げ必要も─ベルギー中銀総裁=FT

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、世界的な貿易摩擦がインフレと経済成長に下振れリスクをもたらしていることから、ECBの政策金利は「2%をやや下回る」水準への引き下げが必要になる可能性があるという見解を示した。写真は、ECB本部。3月6日、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、世界的な貿易摩擦がインフレと経済成長に下振れリスクをもたらしていることから、ECBの政策金利は「2%をやや下回る」水準への引き下げが必要になる可能性があるという見解を示した。17日に公開された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで語った。
ウンシュ氏は最近のショックと不確実性により、現在2.25%となっている預金金利の引き下げを含め、やや緩和的な金融政策が正当化される可能性があると語った。
近い将来に0.5%ポイントの大幅な利下げが必要とは考えていないという。
ウンシュ氏は、トランプ米大統領が4月2日に相互関税を発表して以降、ユーロ圏では明らかな「インフレ下振れリスク」が生じており、経済成長も一段と脅かされていると指摘した。
ユーロ圏経済は「短期的にネガティブショック」にさらされた後、「2026年と27年にはポジティブショック」が見られる可能性があると述べた。
市場は現在、ECBが6月5日の理事会で利下げを実施する確率を約90%織り込んでいるが、年内の追加緩和は1回のみとみており、預金金利が1.75%で底を打つ可能性を示唆している。
ウンシュ氏はこうした予想に「衝撃を受けていない」とし、さらなる金融緩和を検討する用意があると述べた。
同氏は2月のFTとのインタビューでは、ECBが追加利下げを検討する中、「夢遊病」のように金利を過剰に引き下げるべきではないと警告していた。