ニュース速報
ビジネス

ECB、2%を下回る水準へ利下げ必要も─ベルギー中銀総裁=FT

2025年05月19日(月)09時54分

 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、世界的な貿易摩擦がインフレと経済成長に下振れリスクをもたらしていることから、ECBの政策金利は「2%をやや下回る」水準への引き下げが必要になる可能性があるという見解を示した。写真は、ECB本部。3月6日、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、世界的な貿易摩擦がインフレと経済成長に下振れリスクをもたらしていることから、ECBの政策金利は「2%をやや下回る」水準への引き下げが必要になる可能性があるという見解を示した。17日に公開された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで語った。

ウンシュ氏は最近のショックと不確実性により、現在2.25%となっている預金金利の引き下げを含め、やや緩和的な金融政策が正当化される可能性があると語った。

近い将来に0.5%ポイントの大幅な利下げが必要とは考えていないという。

ウンシュ氏は、トランプ米大統領が4月2日に相互関税を発表して以降、ユーロ圏では明らかな「インフレ下振れリスク」が生じており、経済成長も一段と脅かされていると指摘した。

ユーロ圏経済は「短期的にネガティブショック」にさらされた後、「2026年と27年にはポジティブショック」が見られる可能性があると述べた。

市場は現在、ECBが6月5日の理事会で利下げを実施する確率を約90%織り込んでいるが、年内の追加緩和は1回のみとみており、預金金利が1.75%で底を打つ可能性を示唆している。

ウンシュ氏はこうした予想に「衝撃を受けていない」とし、さらなる金融緩和を検討する用意があると述べた。

同氏は2月のFTとのインタビューでは、ECBが追加利下げを検討する中、「夢遊病」のように金利を過剰に引き下げるべきではないと警告していた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

カナダ産原油、拡張パイプライン経由の中国輸出が急増

ワールド

ブラジル、中国などの輸入制限緩和に期待 鳥インフル

ビジネス

独VW株主総会、統治体制に批判相次ぐ

ワールド

トランプ減税法案、下院予算委で可決 本会議採決へ前
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内にはっきり表れていた「重篤な病気の初期症状」
  • 4
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    刺さった「トゲ」は放置しないで...2年後、女性の足…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    飛行機内の客に「マナーを守れ!」と動画まで撮影し…
  • 9
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 10
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 10
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中