NY市場サマリー(9日)ドル下落、利回り横ばい 株ほぼ変わらず
<為替> ドルが下落。ただ、米英間の貿易協定合意を受けて週末に予定される米中貿易協議を巡る楽観的な見方が高まる中、週足では円やユーロ、スイスフランに対し上昇する見通し。
トランプ米大統領とスターマー英首相は8日、電話で会談し、二国間貿易協定での合意を発表した。市場は10日にスイスで始まる米中高官による貿易協議に注目している。
終盤の取引で、ドル/円は0.39%安の145.355円。ただ、週間では3週連続で上昇する見通し。
ドル/スイスフランは0.01%安の0.83150フラン。週足では4週連続の値上がりとなる勢い。
ユーロ/ドルは0.17%高の1.125025ドル。週間では3週連続の下落となる見込み。
ポンド/ドルは0.5%高の1.3306ドル。ポンドは週間でもドルに対し上昇する見通し。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.38%高の10万3023.28ドル。リスクテイク志向の高まりを反映した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 利回りが横ばいで推移。今後の見通しを巡り不透明さが続く中、市場では今週末にスイスで予定される米中高官による貿易協議に注目が集まる。
前日8日は、米英の貿易協定での合意を受け米債利回りは数週間ぶりの高水準を記録。これを受け、この日はショートカバー(空売りの買い戻し)が見られたもよう。
今週末の米中協議を控え、トランプ米大統領は中国製品に80%の関税をかけることは「正しいようだ」と発言。中国は米国に市場を開放すべきとの考えも示した。
この発言を受け、10年債利回りは低下した。
午後の取引で、指標となる10年国債利回りは横ばいの4.374%。週足では5.6ベーシスポイント(bp)上昇し、2週連続の上昇となった。
30年債利回りも4.833%とほぼ横ばいで推移した。週足では4.3bp上昇し、こちらも2週連続の上昇となった。
一方、2年債利回りは1bp低下し、3.885%となった。
8日の米英の貿易協定の合意を受け、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は60%と、8日の約70%から低下した。年内の利下げ幅予想は計約68bpと、8日の82bpから低下した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> ほぼ変わらずで取引を終えた。週末にスイスで開かれる米中貿易協議を前に、投資家が対中関税に関するトランプ大統領の発言を見極めようとしたためだ。
トランプ大統領はこの日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で「中国は米国に市場を開放すべきだ!」「中国に80%の関税をかけるのは正しいようだ」などと述べた。
今週末の協議は初期段階のものだと見る向きも多かったが、トランプ大統領は8日、実質的な協議を期待していると述べていた。
週間では、S&P総合500種は0.47%下落、ナスダック総合は0.27%下落、ダウ工業株30種は0.16%下落した。
S&P500の主要11セクターでは、エネルギーが1.1%上昇し、上昇率トップとなった。原油価格は米中会談を前に楽観的な見方から上昇した。一方、ヘルスケアは1.1%下落し、この日最も振るわなかった。
オンライン旅行代理店のエクスペディア・グループは7.3%下落。四半期業績が予想を下回った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.35対1の比率で上回った。ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.06対1で上回った。
米取引所の合算出来高は160億3000万株。過去20営業日の平均は164億7000万株だった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相 場は、米中貿易協議を控えて警戒感が広がる中、ドル安を追い風に買われ、3日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比38.00ドル(1.15%)高の1オンス=3344.00ドル。週間では100.70ドル(3.10%)上昇した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中の貿易摩擦緩和への期待を背景に、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限 月6月物の清算値(終値に相当)は前日比1.11ドル(1.85%)高の1バレル=6 1.02ドルだった。週間では4.68%高。7月物は1.06ドル高の60.58ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]