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午後3時のドルは143円前半へ上昇、米中対立緩和に期待

2025年05月07日(水)15時42分

 5月7日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の143円前半で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Shinji Kitamura

[東京 7日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の143円前半で取引されている。米国が近く中国と貿易などに関する高官協議を行うと発表し、対立緩和期待が中国人民元などアジア通貨の下げにつながり、対円でもドルが上昇した。

連休明けのドルは、早朝の142円半ばから143円前半へ上昇した。米国の財務省と通商代表部(USTR)が日本時間7日朝、ベセント財務長官とグリアUSTR代表が今週、中国の経済担当高官とスイスで会談すると発表したことが手掛かりとなった。

中でも動きが目立ったのはアジア通貨。 韓国ウォンや台湾ドルが1%前後下落したほか、インドネシアルピア、マレーシアリンギ、タイバーツなどが軒並み安となった。

米中交渉が進展すれば「他のアジア各国に対する米国の姿勢は軟化し、関税交渉とともに求められる公算が高い通貨高の容認要請を回避できるとの思惑」(外銀アナリスト)につながったという。

日本が連休だった3日、米国と関税協議を行った台湾では、通貨高の受け入れを要請されたとの憶測が広がり、台湾ドルは急上昇して5日に3年ぶり高値を更新した。

ウォンやリンギ、バーツなども半年ぶり高値を付けるなど「『逆アジア通貨危機』とのフレーズが飛び出すほど、アジア通貨の騰勢が話題を集めていた」(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)。

米国の発表を受けて、中国株や米国株先物が上昇するなどリスクオンムードが広がったことが、円安につながった側面もあった。中国と経済的な結びつきが強い豪ドルは、92円前半から93円前半へ上昇した。

<円下落局面で投機は買いを積み増し>

米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物非商業部門の取り組み状況によると、今月29日までの1週間で、投機筋の円買いは差し引き18万枚弱と、4週連続で過去最大を更新した。

ドルはその間、22日の安値139円後半から25日の144円台まで5円上昇していた。投機筋はこの円安局面で、円を買い向かっていたことが明らかになった。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 143.03/143.08 1.1365/1.1366 162.59/162.60

午前9時現在 143.08/143.10 1.1340/1.1341 162.26/162.27

NY午後5時 142.41/142.45 1.1368/1.1371 161.91/161.97

ロイター
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