ニュース速報
ビジネス

景気判断据え置き、海外リスクで米通商政策に言及=2月月例報告

2025年02月19日(水)18時44分

 2月19日、政府は2月の月例経済報告で、景気の総括判断を7カ月連続で「一部に足踏みが残るが緩やかに回復している」とした。都内で2017年3月撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

Tetsushi Kajimoto

[東京 19日 ロイター] - 政府は19日に公表した2月の月例経済報告で、景気の総括判断を7カ月連続で「一部に足踏みが残るが緩やかに回復している」とした。先行きについては、トランプ政権に替わった米国の通商政策にも触れ、引き続き海外景気の下振れリスクに注意が必要とした。

総括判断の表現は、昨年8月に引き上げてから変えていない。内閣府は、個人消費など内需は力強さに欠けるものの、企業の2024年10─12月期業績が好調で、設備投資が景気のけん引役になっていると説明する。

項目別では、輸出を2023年8月以来18カ月ぶりに上方修正した。前月までの「おおむね横ばいとなっている」という判断から、「このところ持ち直しの動きが見られる」に見直した。中国経済が景気刺激策で持ち直しの兆しをみせる中、プラスの効果を受けた他のアジア諸国向けの輸出が押し上げられた。

輸入は24年3月以来11カ月ぶりに下方修正し、「このところ持ち直しの動きがみられる」から「おおむね横ばいとなっている」に判断を引き下げた。今月17日に発表された10─12月期の国内総生産(GDP)も、控除項目となる輸入が減少して外需寄与度を押し上げていた。

個人消費は「一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きが見られる」、設備投資は「持ち直しの動きが見られる」のまま判断を据え置いた。

先行きについては、海外景気の下振れリスクに「十分注意する必要」があるとした。注意する要因としてこれまでも明記してきた米国の政策動向に、「通商政策」を加えた。欧米で高止まりする金利、中国不動産市場の停滞、中東情勢、金融市場の変動、物価上昇も引き続き盛り込んだ。

内閣幹部によると、トランプ政権の政策については「不確実性が大きく、関税政策についても詳細が分からない」として踏み込んで書くことはできなかったという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英ヒースロー空港再開へ、インフラの脆弱性示唆の声も

ビジネス

中国人民銀、為替市場の回復力強化を提案

ワールド

米、ガザ攻撃再燃「ハマスに全責任」と非難 国連安保

ワールド

トランプ氏、ボーイングと次世代戦闘機契約 「F47
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 5
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 8
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 9
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 10
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 10
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中