ニュース速報
ビジネス

EUが関税問題で米との速やかな協議要望、難航覚悟と欧州委員長

2025年02月05日(水)08時05分

 欧州連合(EU)欧州委員会のセフコビッチ委員(通商・経済安全保障・対外関係・透明性担当)は2月4日、米国と関税問題で速やかな協議に入りたい考えを明らかにした。2024年11月、ブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Johanna Geron)

Philip Blenkinsop

[ワルシャワ 4日 ロイター] -  欧州連合(EU)欧州委員会のセフコビッチ委員(通商・経済安全保障・対外関係・透明性担当)は4日、米国と関税問題で速やかな協議に入りたい考えを明らかにした。

トランプ米大統領は、関税発動の対象としてカナダ、メキシコ、中国の次はEUになるとかねてから表明。米国がEUとの間でモノの貿易赤字を抱えていることに繰り返し不満をあらわにしている。

こうした中でEUの閣僚会議に出席したセフコビッチ氏は、米国に対して「早期の働きかけ」を行いたいと説明するとともに、現在は米上院が商務長官候補ハワード・ラトニック氏と通商代表部(USTR)代表候補ジェミソン・グリア氏を承認するのを待っているところだと述べた。

複数のEU高官も、トランプ政権側で通商担当責任者が議会の承認を経て就任していない点から、まだEUと米国の接触は限られていると指摘した。

ただセフコビッチ氏は「われわれの方はすぐに話し合いができる態勢にある。この話し合いを通じて、地球上で最も重要な欧米間の貿易・投資関係に多大な混乱をもたらす措置(関税)を回避できると期待している」と語った。

一方フォンデアライエン欧州委員長はブリュッセルにおける講演で、米国との協議で最優先するのは重要なサプライチェーンや新しく登場した技術など、EUと米国の利益が重なる分野で、厳しい交渉に臨む準備はできていると覚悟を示した。

その上で「われわれは合意を実現する方法において予断を持たず、現実的に動く。しかしEUの利益を常に守るということははっきりさせていく」と強調した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

林氏が政策公表、物価上昇緩やかにし1%程度の実質賃

ビジネス

午後3時のドルは147円前半へ上昇、米FOMC後の

ビジネス

パナソニック、アノードフリー技術で高容量EV電池の

ワールド

米農務長官、関税収入による農家支援を示唆=FT
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中