ニュース速報
ビジネス

米がAI半導体輸出規制強化へ、同盟国優遇の階層化 中国反発

2025年01月14日(火)01時40分

米政府は13日、人工知能(AI)向け先端半導体と技術輸出を一段と制限する規制案を公表した。(2025 ロイター/Florence Lo/Illustration/File Photo)

Karen Freifeld

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米政府は13日、人工知能(AI)向け先端半導体と技術輸出を一段と制限する規制案を公表した。米国と同盟国での利用に限定を促す一方で中国のアクセスを阻止するために対象国を階層化している。

新規制は、多くの国への半導体輸出に数量で上限を設ける。同盟国には無制限のアクセスを認める一方、中国、ロシア、イラン、北朝鮮への輸出遮断は維持する。中国だけではなく世界的にAI半導体輸出を規制することで、この分野での支配的地位の維持を目指す。

トランプ次期大統領が新規制をどう施行するかは不明だが、中国からの脅威についてはバイデン政権と同様の見解を示している。新規制は120日後に発効する。

レモンド米商務長官は「米国は現在、AI開発とAI半導体設計の両面でリードしている。この状況を維持することが極めて重要だ」と語った。

サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、「今後数年間でAI能力が急速に向上し、経済や国家安全保障に変革をもたらす可能性があることに米国は備える必要がある」と述べた。

中国商務省は米国の新規制について、「正当な権利と利益」を守るために必要な措置を講じると表明した。

AIモデル設定に必要なデータセンター向けに使用される高度グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)に制限が設けられる。その多くはエヌビディア製。アドバンスト・マイクロ・デバイセズも販売している。

マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどクラウドサービス大手は、データセンター建設へのプロジェクトはグローバルに認可を求めることが可能で、これらのプロジェクトは新規制の対象外。

認可を受けるためには、セキュリティ要件、報告、人権尊重への計画や実績など厳しい条件や制限が課せられる。    

エヌビディアは13日、この規制は「行き過ぎ」とし、主流のゲームパソコンや消費者向けハードウェアで利用可能な技術を取り締まることになると批判した。  

規制は各国を3つの階層に分ける。日本、イギリス、韓国、オランダなど18カ国程度はティア1で基本的に規制の対象外。シンガポール、イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など約120のティア2国は、国別上限に直面する。ロシア、中国、イランなどは技術移転も全面的に禁じる。

AWSやマイクロソフトなど、グローバル認可を受ける可能性の高い米国を本拠とするプロバイダーは、AI関連で米国外に展開できるのは50%だけで、ティア1国以外は25%以下で1カ国あたり7%以下しか展開できない。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

26年はマルチ戦略ヘッジファンドへの配分増へ=Bo

ワールド

焦点:米株の上昇銘柄に広がり テック一辺倒から変化

ビジネス

インドネシアFDI、25年ほぼ横ばい 今年は大幅増

ビジネス

リオティント、アマゾンのAIデータセンターに銅供給
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑について野次られ「中指を立てる」!
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 8
    母親「やり直しが必要かも」...「予想外の姿」で生ま…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中