ユーロ圏のインフレ率と政策金利、正しい方向に進展=独仏中銀総裁
9月13日、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は、ドイツの公共ラジオで、ユーロ圏のコアインフレ率を含めたインフレ率は正しい方向に向かっていると述べ、ECBの利下げを支持した。フランクフルトにあるECB本部(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[ブダペスト/フランクフルト 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁とビルロワドガロー仏中銀総裁は13日、ユーロ圏のインフレ率と政策金利が正しい方向に向かっているとの認識を示した。
インフレ抑制への自信を過去2年間で最も強く示した形となった。
ナーゲル氏はドイツの公共ラジオで「インフレの状況は非常に良好なようだ」とし「われわれは来年末までに2%のインフレ目標を達成できると想定しており、データもそれを示している」と述べた。
また、ユーロ圏のコアインフレ率を含めたインフレ率は正しい方向に向かっているとし、ECBの利下げを支持した。
「特にユーロ圏の賃金が低下傾向にあることから、コアインフレ率は改善すると考えている。ここでも物事は正しい方向に進んでいる」と語った。
一方、ビルロワドガロー氏はブダペストで開催された金融フォーラムで、ペースは緩やかだが「旅の方角」は明らかに利下げ方向だと発言。ペースはデータに左右されると述べた。
「われわれは、金融政策の引き締めの程度を徐々に、そして適切に解除し続けるべきだ」とし「だが、そのペースは極めて現実的なものでなければならない。われわれは特定の金利の道筋にあらかじめコミットしているわけではないし、次回の会合に向けて完全なオプショナリティー(選択の柔軟性)を維持している」と語った。
また、インフレ予測と予想を下回る経済活動を踏まえると、前日の追加利下げは当然の動きだとし、ECBはインフレ率が低くなり過ぎるリスクにも注意すべきだと発言した。
ECB理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は利下げは経済成長を下支えするが、欧州は生産性の向上を目指すべきだと主張した。