ニュース速報
ビジネス

日経平均は大幅反落、前日高の反動売り 米景気懸念くすぶる

2023年12月07日(木)15時48分

 12月7日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比587円59銭安の3万2858円31銭と、大幅に反落して取引を終えた。東京証券取引所で2020年10月撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)

Noriyuki Hirata

[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比587円59銭安の3万2858円31銭と、大幅に反落して取引を終えた。前日の米株安や米景気減速への警戒感が下押し圧力となった。前日の大幅高の反動もあって、利益確定売りが優勢だった。取引時間中の金利上昇や円高も、投資家心理を冷やした。

日経平均は前営業日比280円安で寄り付いた後も下げ幅を拡大した。前日の米株主要3指数はそろって下落したが、日経平均は前日に670円高と大幅上昇しており、幅広い銘柄で利益確定売りが先行した。

心理的節目の3万3000円付近を通る25日移動平均線(3万2997円99銭=7日)を割り込むと下げが加速し、午後には一時631円安の3万2814円69銭に下落した。

米国市場では、11月のADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が市場予想を下回り米連邦準備理事会(FRB)による利上げが景気を冷やしているとの見方が強まった。「弱い指標に対する米利下げ織り込みはかなり進んでおり、今度は景気懸念の方に目が向かった」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方が聞かれた。

国内の30年債入札が弱い結果となり金利が上昇したことや、ドル/円が146円半ばへと円高に振れたことも株価の下押しに作用した。あすにメジャーSQ(特別清算指数)の算出を控え「短期筋の思惑による売買に振らされた側面もありそうだ」(酒井氏)という。

指数寄与度の高い半導体関連や電子部品が総じて軟調。余剰感を背景に原油価格が下落する中、鉱業や石油・石炭製品が売られたほか、海運や機械、非鉄金属といった景気敏感株も軟調だった。一方、金利が上昇する中、銀行や保険はしっかりだった。

正午ごろ発表された11月の中国貿易統計への反応は限られた。輸出が6カ月ぶりに増加に転じる一方、輸入は予想外に減少した。上海株や香港株は朝方から軟調で、中国株の基調の弱さも日本株投資家の心理に重しとなった。

TOPIXは1.14%安の2359.91ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.15%安の1214.2ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆7010億9100万円だった。東証33業種では、値上がりは電気・ガスや保険、空運など5業種で、値下がりは海運や鉱業、電気機器など28業種だった。

東京エレクトロンや信越化学工業は軟調。三菱商事はさえなかった。一方、みずほFGや東京海上HLDGは堅調。前日に業績予想の上方修正を発表したアインHLDGはしっかり。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.32%安の682.28ポイントと、大幅に反落した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが249銘柄(15%)、値下がりは1382銘柄(83%)、変わらずは29銘柄(1%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 32858.31 -587.59 33165.72 32,814.69─3

3,195.87

TOPIX 2359.91 -27.29 2369.61 2,354.30─2,

372.58

プライム市場指数 1214.20 -14.07 1219.39 1,211.33─1,

220.68

スタンダード市場指数 1156.69 -9.83 1161.90 1,156.69─1,

162.49

グロース市場指数 870.58 -19.10 884.63 870.58─884.

70

グロース250指数 682.28 -16.21 693.98 682.28─694.

23

東証出来高(万株) 154582 東証売買代金(億円) 37010.91

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パナソニックHDが今期中に1万人削減、グループの業

ワールド

インド、パキスタンによる国境全域での攻撃発表 パキ

ビジネス

日経平均は続伸、米英貿易合意や円安を好感 TOPI

ビジネス

日本製鉄、今期純利益は42%減の見通し 市場予想比
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中