英金利、現在の水準にとどめる必要=中銀総裁

英中央銀行のベイリー総裁は、英国の金利はしばらくの間、現在の水準にとどまる必要があり、英中銀はそれによって生じるかもしれない金融の安定を巡るリスクに警戒していると述べた。11月2日、ロンドンで撮影(2023年 ロイター/HENRY NICHOLLS/Pool via REUTERS/File Photo)
[ロンドン 6日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は6日、英国の金利はしばらくの間、現在の水準にとどまる必要があり、英中銀はそれによって生じるかもしれない金融の安定を巡るリスクに警戒していると述べた。
半年に一度の金融安定報告書発表後の記者会見で「インフレ率を持続的に目標に戻すためには、金利を長期にわたってこの水準にとどめる必要がありそうだ」と指摘。「金利上昇の完全な効果はまだ現れていない。そのため、金融安定リスクに引き続き警戒している」とした。
また、インフレの見通しは不透明とした。
中銀は報告書で、英企業や家計が今のところ金利上昇に対応しているとしつつも、調整のプロセスは終わっていないと指摘。
前回7月の報告書以降、予想を上回る賃金・所得増加が家計への圧迫を幾分和らげたものの、生活費高騰や金利上昇によって家計は厳しい状況が続いているとした。
また、企業も金利上昇や軟調な経済成長に対し総じて底堅さを示しているが、「資金調達コスト上昇の影響は全ての借り手にはまだ完全に転嫁されていない」と指摘した。
英銀行システムについては「十分な資本と高水準の流動性」があるとした。
ただ、中国不動産市場の問題や中東情勢の緊迫化などをリスクに挙げ、主要国の公的債務膨張で市場が政府債への懸念を強めた場合、英金融安定を損なう可能性があるとの見方も示した。