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マイナス金利解除、頑健な経済や賃金への期待が必要=中川日銀委員
9月7日 日銀の中川順子審議委員は7日、高知県金融経済懇談会後の記者会見で、マイナス金利解除の条件について、多少の下方圧力にも屈しないほどの経済の強さや、賃金への期待が維持できることを挙げた。写真は日銀のロゴで、2017年6月に都内で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)
Takahiko Wada
[高知市 7日 ロイター] - 日銀の中川順子審議委員は7日、高知県金融経済懇談会後の記者会見で、マイナス金利解除の条件について、多少の下方圧力にも屈しないほどの経済の強さや、賃金への期待が維持できることを挙げた。一方、先行きの物価見通しはリスクが上下に同程度の大きさで存在すると述べ、まだ2%目標の達成を見通せる状況にはなっていないとの見方を示した。
中川委員は、イールドカーブ・コントロール(YCC)の解除やマイナス金利の撤廃をどういう順序で行うかは市場環境や金融環境に左右され、明確な順序やタイミング、インターバルの取り方は「言える状況にはない」と述べた。
その上で、マイナス金利の解除の条件として、経済について「多少の下方圧力を受けても回復力がついていること」を挙げたほか、賃金では「今後への期待をある程度広い方々が望むことができる循環がある程度保たれること」が必要だと述べた。こうした条件がそろえばマイナス金利の解除を「あまり心配なくできる」が、判断は慎重に行いたいと語った。
(和田崇彦)