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日経平均は反発、一時2万7500円台回復 欧米の金融システム不安後退で

2023年03月22日(水)15時29分

 3月22日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比520円94銭高の2万7466円61銭と、反発して取引を終えた。写真は東証で2019年1月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比520円94銭高の2万7466円61銭と、反発して取引を終えた。一連の金融システム不安が後退し、投資家心理が改善したことで、金融株を中心に幅広い銘柄が買われた。為替の円安基調も支えとなり、日経平均は後場に入り、心理的節目の2万7500円を回復した。

日経平均は352円高でスタート。幅広い銘柄で買いが先行し、その後も上げ幅を拡大した。後場に入ると、心理的節目の2万7500円台を回復し、一時前営業日比約575円高の2万7520円97銭をつけた。

前日の米国市場では、イエレン財務長官が米銀が破綻した際に預金を全額保護する可能性に言及したことで、金融システム不安が後退し、金融株を中心に幅広い銘柄が買われた。東京市場でも銀行や保険、証券などの金融セクターに買いが入ったほか、前日の米ハイテク株高を受けて、半導体関連銘柄が堅調に推移した。為替が、前営業日の取引時間中に比べやや円安に振れていることから輸出関連銘柄もしっかりだった。

野村証券の神谷和男投資情報部ストラテジストは、「イエレン財務長官の発言が市場にとっては大きな安心材料となった」と指摘。ただ、先週下げ過ぎた分は戻したものの、ここからさらに上値を追うには、米国景気やインフレの動向を注意深くみる必要がある、との見解を示した。

きょうは、市場が注目する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見が予定されている。マーケットが0.25%の利上げを織り込む中で「市場の注目はドットチャート(FOMCメンバーの政策金利見通し)に集まっている。更なる金融引き締めを示唆するのか、または緩和姿勢を打ち出すのかを注視する必要がある」(神谷氏)という。

TOPIXは1.74%高の1962.93ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.75%高の1009.99ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆9372億300万円だった。東証33業種は、空運業以外の32業種が値上がりした。

みずほFGや第一生命ホールディングスなど、銀行や保険などの金融株が朝方から堅調に推移した。米ハイテク株高を受けて、東京エレクトロンやアドバンテストもそれぞれ2%超高となった。楽天グループは傘下の楽天銀行が、4月中にも東京証券取引所に上場することが分かったとロイターが報じたことが手掛かりとなり、後場に一段高となった。一方、連結営業利益予想を下方修正した新光電気工業は6%安だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1704銘柄(92%)、値下がりは110銘柄(5%)、変わらずは22銘柄(1%)だった。

終値 前日比 寄り付き   安値/高値  

日経平均 27466.61 +520.94 27298. 27,267.2

15 6─27,520.

97

TOPIX 1962.93 +33.63 1956.5 1,955.69

1 ─1,968.70

プライム指数 1009.99 +17.33 1006.8 1,006.59

1 ─1,012.95

スタンダード 1038.02 +12.87 1033.4 1,033.46

指数 6 ─1,039.07

グロース指数 960.95 +19.92 954.45 954.45─9

68.73

東証出来高( 125179 東証売買代金(億円 29372.

万株) ) 03

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