ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-ウクライナ、年内に最大200億ドルのIMF融資目指す=中銀総裁

2022年07月27日(水)04時24分

ウクライナ国立銀行(中央銀行)のシェフチェンコ総裁は訪問中のロンドンでロイターとのインタビューに応じ、戦争で疲弊した国内経済を立て直すため、国際通貨基金(IMF)と年末までに150億─200億ドルの融資プログラムで合意することを目指すと述べた。(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

[ロンドン 26日 ロイター] - ウクライナ国立銀行(中央銀行)のシェフチェンコ総裁は訪問中のロンドンでロイターとのインタビューに応じ、戦争で疲弊した国内経済を立て直すため、国際通貨基金(IMF)と年末までに150億─200億ドルの融資プログラムで合意することを目指すと述べた。

イングランド銀行(英中銀)とのスワップラインについても「数週間以内」の合意を望むとしたが、金額については明かさなかった。

シェフチェンコ総裁によると、ウクライナ政府はすでにIMFに要請書を提出済みで新たな融資についてIMFと協議中。シェフチェンコ総裁はスタンドバイ取り決め(SBA)または拡大信用供与措置(EFF)の形で2─3年以内に最大200億ドルが提供されることを望むとした。

ウクライナ側がIMFから必要とする新たな融資を具体的な金額で示したのはこれが初めて。IMFからの200億ドルの融資はアルゼンチンに次いで2番目の大きさという。

シェフチェンコ総裁は、新たな融資プログラムにより経済安定化に向けた措置を講じることができると説明。柔軟な為替レートや制限のない為替市場、銀行部門における不良債権の減少、均衡の取れた財政政策など戦争前の状態への回帰が保証されるとした。

ロシアとウクライナが先週、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開に向けた合意文書に署名したことを受け、外貨収入や流動性が幾分改善されると見込まれるが、シェフチェンコ総裁はこうした収入や穀物輸出が本格化するのは来年からで、中銀の「控えめな」予測では、輸出は月間500万トンに達し、2023年には約50億ドルの収入を生み出すとした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ファーストリテが一時4%超高、好調な4月のユニクロ

ワールド

米コロンビア大、全校規模の卒業式中止 ガザ反戦デモ

ビジネス

フランス自動車業界、2027年までにEV販売4倍増

ワールド

メーデー連休中の中国新築住宅販売、前年比47%減少
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 2

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 7

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 10

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中