ニュース速報

ビジネス

JPモルガン3割減益、貸倒引当金積み増しで 自社株買い停止

2022年07月15日(金)08時05分

米金融大手JPモルガン・チェースが14日発表した第2・四半期決算は28%の減益となった。6月撮影(2022年 ロイター/Andrew Kelly)

[14日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが14日発表した第2・四半期決算(4─6月期)は28%の減益となった。米景気後退リスクが高まる中での貸倒引当金の積み増しが響き、市場予想を超える落ち込みとなった。自社株買いの停止も発表した。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、当局が求める資本要件の拡大に伴い、資本準備金を積み増す必要があると説明した。

また、ウクライナでの戦争や高インフレ、金融政策の「かつてない」量的引き締め(QT)など、多くの懸念要因が世界経済の成長に対する脅威と指摘した。一方、米経済については、同行がさらに貸し倒れに備える中でも、成長は継続し、雇用情勢や個人消費は健全と評価した。

一方で、不特定の規模の嵐が米経済にやってくると引き続き考えているとも発言。その結果としては、ソフトランディング(軟着陸)からかなり厳しいものまで、幅広く想定されるとした。

第2・四半期利益は86億ドル。1株当たり利益は2.76ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の2.88ドルを下回った。

信用コストは引当金を4億2800万ドル積み増して、11億ドル。前年同期は30億ドル戻し入れていた。

投資銀行部門の不調が目立ち、収入は61%減の14億ドル。主に債券・株式引受業務の手数料収入減とつなぎ融資関連のコストが響いた。ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は、リスク軽減のためにレバレッジドファイナンス市場のシェアを諦める「意識的選択」をしたと説明した。

一方、株式や債券など好調なトレーディング事業を追い風に、市場関連部門の収入は15%増加した。

純金利収入(NII)は19%増の152億ドル。通年では580億ドル超になると予想し、従来見通しの560億ドルから引き上げた。

決算を受け、JPモルガンの株価は一時5%近く下落したが、その後下げ幅を縮めて3.5%安で終了した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想下回る 賃金伸び鈍化

ワールド

欧州委、中国EV3社に情報提供不十分と警告 反補助

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

米雇用なお堅調、景気過熱していないとの確信増す可能
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中