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セブン&アイ、ヨーカ堂の売却否定 コンビニと食品事業で成長目指す  

2022年04月07日(木)19時12分

 4月7日、セブン&アイ・ホールディングスは、2023年2月期の連結営業利益が前年比10.9%増の4300億円になるとの見通しを発表した。写真はセブン&アイ・ホールディングスのロゴ。写真は2017年12月、都内で撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 7日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は7日の決算会見で、国内外のコンビニ事業と並んで食品事業は成長のための両輪だとし、現段階で総合スーパーのイトーヨーカ堂を売却したり、分離することを否定した。一方、百貨店のそごう・西武は売却を含めて検討していることを明らかにした。

<そごう・西武は売却含めて検討>

井阪社長は「イトーヨーカ堂が同一グループにあることが、競争力向上や将来の成長に資する」と明言。今後は国内コンビニのセブンーイレブン・ジャパンとの相乗効果をより求めていく方針を示した。米投資会社バリューアクト・キャピタル(VAC)は2月、同社に対して書簡を送り、ヨーカ堂の売却や分離を提案していた。

食品事業の中心であるヨーカ堂は21年度に4店舗閉鎖し、400人削減した。22年度は2店舗を閉鎖する予定で、16店舗は精査中。300人の人員減を計画している。コンビニ事業と店舗や顧客基盤、商品開発力を連携させることで、グループとしての競争力の強化を図る。

百貨店のそごう・西武については、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)を起用し、戦略を見直していることを明らかにした。井阪社長は「株式売却も含めたあらゆる選択肢の検討に入っている」と述べた。

<23年2月期、海外コンビニがけん引>

セブン&アイはこの日、2023年2月期の連結営業利益は前年比10.9%増の4300億円になるとの見通しを発表した。国内コンビニ事業が3%の営業増益にとどまるのに対し、海外コンビニ事業は、買収した米スピードウエイがフルに寄与することもあり34%の増益を見込む。

IBESがまとめたアナリスト14人の予測平均値4793億円を下回った。

原油などエネルギーコストが上昇する中、井阪社長は「単なる値上げではなく、規格の変更を施しながら、やむを得ない場合には、値上げも視野にやっていく」とした。4月1日にはセブンーイレブン・ジャパンが値上げを発表したが、300アイテム中80%は商品の改良を伴うものだと説明。消費者の購買意欲が落ちない工夫をする方針を示した。

セブンーイレブン・ジャパンの既存店売上高は2.5%増を計画。新規顧客の獲得など客数の回復を最優先とし、客単価の維持・向上を続け成長を目指す。22年度に5000店舗を予定しているネットコンビニの全国拡大は、予定していた2025年から1年前倒しし、24年に行う方針。

海外コンビニ事業では、差別化商品や約4000店舗で対応しているデリバリーの拡充などを図っていく。スピードウエイとのシナジーは、4億5000万ドルを見込む。

22年2月期の連結営業利益は前年比5.8%増の3876億円、純利益は同17.6%増の2107億円だった。1月に公表した会社予想の営業利益4000億円、純利益2150億円には届かなかった。

<社外取締役過半数へ>

このほか同社は、取締役会を独立社外取締役が過半数を占める構成とすることを発表した。新たな取締役会は14人で、うち社外8人、社内6人とする。5月の定時株主総会で決定する。社外取を現状の5人から8人に、外国人を1人から4人に、女性を1人から2人に増やす。井阪社長は「グローバル企業としてさらなる成長戦略を推進していきたい」とした。

ロイター
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