ニュース速報

ビジネス

ボーイング、今後20年の航空機需要予測を引き上げ

2021年09月15日(水)01時48分

米航空機大手ボーイングは、今後20年間の商用航空機需要が4万3610機(7兆2000億ドル相当)になるとの見通しを示し、昨年予測から引き上げた。昨年6月、シアトルの試験飛行を撮影(2021年 ロイター/Karen Ducey/File Photo)

[14日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは14日、今後20年間の商用航空機需要が4万3610機(7兆2000億ドル相当)になるとの見通しを示し、昨年予測の4万3110機から500機引き上げた。

米国などでの国内航空利用の回復で、新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)の中でより暗い見通しを示していた昨年から改善された。

見通しの改善は、ボーイングが旅行需要や軍事サービスの拡大に備える動きを示す。ただ、産業界の遅れや、小型機737MAXの問題が長期化しているのが阻害要因となる。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による航空会社への影響がより深刻な10年間の見通しは1万9330機とし、昨年予測の1万8350機から引き上げた。これは新型コロナ禍前の2019年に発表した予測を6%下回る。

今後20年間の需要予測のうち、主力の単通路型機は昨年予測の3万2270機から3万2660機に、2通路型機は7480機から7670機へそれぞれ上方修正した。一方、貨物機は930機から890機へ下方修正した。

ボーイングのマーク・アレン最高戦略責任者は報道陣に「私たちが自信を持つ最も大きな理由の一つは、過去1年間に国内旅行の迅速な回復が見られたことだ」と述べた。

ボーイングは22年に国内線利用者数が新型コロナ禍前の水準に回復し、23年に域内路線も、24年に国際線もそれぞれ新型コロナ禍前の水準に戻ると予測している。

しかし、複数のアナリストは新型コロナワクチン接種率が着実に上昇しているものの、変異株の感染が予想外に拡大し、渡航制限が続いていることに懸念を示している。

ボーイングは、貨物機や戦闘機を含めた航空機・サービス市場で今後10年間に9兆ドルの需要を見込み、昨年予想の8兆7000億ドルから引き上げた。防衛・宇宙分野は横ばいの2兆6000億ドルを予想している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中仏首脳、イラン核問題の「政治的解決」訴え=中国国

ワールド

豪23/24年度予算、総債務減少の見込み=財務省

ワールド

豪中銀、政策金利据え置き 物価上昇圧力を警戒

ワールド

アルツハイマー病、リスク遺伝子2つでほぼ確実に発症
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 2

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 7

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 10

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中