ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(23日)ドル上昇、テスラ買われナスダック最高値

2021年06月24日(木)07時05分

[23日 ロイター] -

<為替> 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人が、米国の高インフレ期間は予想以上に長引く可能性があるとの考えを示したことから、ドルが上昇した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁とFRBのボウマン理事はこの日、最近の価格上昇が一過性のものであるとおおむね認める一方、その影響が薄れるには予想外に時間がかかる可能性があると発言した。

ドルは通貨バスケットに対し0.06%高の91.798。先週末には92.408と2カ月ぶりの高値をつけていた。

経済指標では、5月の新築一戸建て住宅販売戸数が年率換算で76万9000戸と前月比5.9%減少し、昨年5月以来の低水準に沈んだ。統計を受けてドルは値下がりする場面も見られた。

ユーロ/ドルは0.11%安の1.1929ドル。6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は59.2と、2006年6月以来15年ぶりの高水準となった。

ドル/円は0.29%高の110.26円。一時111.10円と昨年3月以来の高値を付けた。日本の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.5となり、5月の53.0から低下した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約2.78%高の3万3467ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 10年債利回りがやや上昇したものの、落ち着いた取引の中、1.5%を超えることはなかった。

FRBは15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒したが、パウエルFRB議長は22日の議会証言で、労働市場の「広範で包摂的な」回復を促進するとし、インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは実施しないと改めて確約。

この日はアトランタ地区連銀のボスティック総裁とボウマンFRB理事が、高インフレは一過性のものである公算が大きいとしながらも、インフレが平均を超える期間は当初の予想より長引く可能性があるとの見方を示した。

アナリストは、8月下旬に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)まで、FRBは政策スタンスを変更せず、国債利回りは狭い範囲内にとどまると予想。BMOキャピタル・マーケッツの債券戦略担当ディレクター、ダニエル・クリーター氏は「FRBのレトリックがあまり揺れ動かなければ、当面はテクニカル相場になる」との見方を示した

財務省が実施した610億ドルの5年債入札は、応札倍率が2.36倍、最高落札利回りが0.904%。最高落札利回りは20年2月以来の高水準だった。

10年債利回りは1.4869%に上昇。2年債利回りは0.2621%にやや上昇。30年債利回りは2.1104%に小幅上昇した。

5年債と30年債の利回り格差は122.90ベーシスポイント(bp)。21日に付けた107.80bpから拡大した。

FRBは、国債を対象とした翌日物リバースレポで過去最高となる8136億ドルの資金を吸収した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米電気自動車(EV)大手テスラに買いが入り、ナスダック総合指数が再び最高値を付けた。一方、IHSマークイットの米製造業データが強い内容になったものの、S&P総合500種は下落した。

この日はエヌビディアやフェイスブックを中心に、景気回復の恩恵を受けるとみられる銘柄へのシフトで過去数カ月に軟調となっていた大型グロース(成長)株が引き続き買われた。

FRBは1週間前には利上げ開始時期の見通しを2023年に前倒しした。それ以来、テスラやエヌビディアなどの主要ハイテク企業を含む成長株はほとんどが上昇し、銀行や素材などのバリュー株をアウトパフォームしている。

S&Pの主要11セクターでは8セクターが下落。公益事業が約1%安と下げを主導した。素材は0.6%安。

テスラは5.3%上昇。太陽光・エネルギー貯蔵施設を利用した充電施設を中国で初めて開設したことを明らかにした。

S&Pのグロース指数は0.01%高、バリュー指数は0.24%安。

年初来ではS&P500は約13%上昇、ナスダックとダウ工業株30種は約11%上昇している。

個人投資家の間で人気の高い「ミーム​株」(ネットの情報拡散で取引される銘柄)では、前日に時価総額が倍以上に膨らんだソフトウエア企業アルフィが26%安。エネルギー会社トーチライト・エネルギー・リソーシズは続落し、30%安。同社は株式売却の規模を引き上げた。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 小反発。朝方にはドル安・ユーロ高の流れを受けて、ドル建て商品として割安感から買い進まれる場面があったが、続かず、上げ幅を縮小した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比6.00ドル(0.34%)高の1オンス=1783.40ドル。朝方には一時、1795.60ドルまで買い進まれた。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 対ユーロでのドルの持ち直しを眺めて朝方の買いが細り、小幅高となった。この日中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTIの8月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.23ドル(0.32%)高の1バレル=73.08ドル。9月物は0.31ドル高の72.36ドルだった。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に公表した週報によると、18日時点の国内原油在庫は前週比760万バレル減の4億5906万バレル。取り崩し幅は市場予想(390万バレル減)の約2倍で、5週連続のマイナスとなった。全体の在庫は2020年3月20日時点以来、約1年3カ月ぶりの低水準。

また、ガソリン在庫も80万バレル増の予想に対して290万バレル減と、燃料需要の回復期待を後押しする内容。相場は朝方に一時74.25ドルの高値を付け、同週報発表後も73ドル台後半で推移した。

ただ、その後は外国為替市場で対ユーロでのドル下落に歯止めがかかり、ドル建てで取引される商品の割安感が薄れたことから、原油相場は上げ幅を大きく縮小。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が7月1日の会合で、8月以降の産油量を一段と拡大するのではないかとの警戒感も重しとなった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 110.94/110.98

始値 111.03

高値 111.06

安値 110.67

ユーロ/ドル NY終値 1.1925/1.1928

始値 1.1943

高値 1.1969

安値 1.1920

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 105*31.00 2.1049%

前営業日終値 105*31.00 2.1050%

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*09.00 1.4852%

前営業日終値 101*13.00 1.4720%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.00 0.8797%

前営業日終値 99*15.50 0.8570%

2年債(指標銘柄) 16時20分 99*23.13 0.2641%

前営業日終値 99*24.00 0.2510%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33874.24 -71.34 -0.21

前営業日終値 33945.58

ナスダック総合 14271.73 +18.47 +0.13

前営業日終値 14253.27

S&P総合500種 4241.84 -4.60 -0.11

前営業日終値 4246.44

COMEX金 8月限 1783.4 +6.0

前営業日終値 1777.4

COMEX銀 7月限 2611.1 +25.4

前営業日終値 2585.7

北海ブレント 8月限 75.19 +0.38

前営業日終値 74.81

米WTI先物 8月限 73.08 +0.23

前営業日終値 72.85

CRB商品指数 209.2446 +1.3643

前営業日終値 207.8803

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国勢、ロンドン不動産投資が8年ぶり高水準 ドル高

ワールド

アングル:民間機に重大な影響及ぼすGPS妨害、世界

ワールド

台湾、次期総統就任後の中国軍事演習を警戒 治安当局

ワールド

中国、大気汚染改善目標が半数の都市で未達 経済優先
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 8

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 9

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 10

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中