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ECB、政策正常化に向けた伝達スタンス変更は時期尚早=議事要旨

2018年02月23日(金)01時29分

2月22日、ECBが公表した1月25日の理事会の議事要旨で、インフレが目標に上昇するとの確信が強まったとしても、政策の正常化の伝達スタンスを変更するのは時期尚早との考えが示されていたことが分かった。 写真は2017年12月、フランクフルトのECB本部前で撮影(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が22日に公表した1月25日の理事会の議事要旨で、インフレが目標に上昇するとの確信が強まったとしても、政策の正常化の伝達スタンスを変更するのは時期尚早との考えが示されていたことが分かった。

ECBは1月25日の理事会で政策の維持を決定。ただ、ユーロの上昇は「不確実性の源」となっているとし、米国発のドル安を巡る発言が金融情勢の変化につながる場合はECBは戦略を見直す必要があるとの見解を示した。

議事要旨は「伝達の変更は現時点では全般的に時期尚早である」とし、「金融政策は事後的に突然の、もしくは無秩序な調整を回避することを視野に展開し続ける」と指摘。「ユーロ相場のこのところのボラティリティーは不確実性の源となっており、注視する必要があるとの認識の幅広く共有された」としている。

こうした文言から、ECBは将来的に政策を逆行させる必要が出ないよう市場を注視しながら段階的に金利を正常化していく姿勢であることが読み取れる。

議事要旨はまた、「金融政策スタンスに関する文言は今年の早い段階で、通常のアセスメントの一環として、今後の政策会合で再考される可能性がある」とし、「インフレの道筋について信頼感を深める論拠は大きくなっているものの、金融政策に関して忍耐強く、粘り強くあることがなお正当化される」とした。

関係筋はこれまでにロイターに対し、刺激策の縮小に向けた次の一歩として、必要なら資産買い入れを拡大させる用意があるとの確約をやめる可能性があると指摘。こうした動きは景気支援に向けた非伝統的な政策の終了に向けたECBの意思を明確に示すものとなるが、債券買い入れが拡大されるとの観測が一部残っていることから、動きは段階的なものになるとみられている。

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