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NY市場サマリー(20日)

2018年02月21日(水)07時38分

[20日 ロイター] - <為替> ドルが上昇。米国債利回りの上昇を手掛かりに、主要6通貨バスケットに対して6営業日ぶりの高値をつけた。投資家の間で積み上がったドル売りポジションを巻き戻す動きが出るなか、ドルは前週付けた3年ぶり安値からの回復局面が続いている。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.69%高の89.713。約2週間ぶりの大幅上昇となっている。

ドル/円は0.63%高、ユーロ/ドルは0.58%安。

コモンウエルスFXの首席市場ストラテジスト、オマー・エジナー氏は「ドル以外の通貨に対する若干の利食い売り、およびドルに対する若干の安値拾いの買いを確認している」と指摘。「現時点でセンチメントは大きく変わっていない」とし、ドルの下落トレンドは定着しているようだとの認識を示した。

今週実施される大規模な米国債入札も注目されている。米国資産に対する海外投資家の需要を探る手掛かりになるとみられている。

米財務省が同日実施した3カ月物と6カ月物の国庫短期証券(TB)入札は、最高落札利回りが2008年9月以来の高水準となった。

この日の調達額は合わせて1790億ドル。今週予定されている総額2580億ドルの入札の半分以上に相当する。

21日には350億ドルの5年債入札、22日には290億ドルの7年債入札が実施される。

<債券> 総額2580億ドルの国債入札が今週実施される中、供給を巡る懸念から債券利回りが上昇し、なかでも10年債利回りは約4年ぶりの高水準近辺に上昇した。

財務省はこの日は1510億ドルの国庫短期証券(TB)入札のほか、280億ドルの2年債入札を実施。合計の調達額は1790億ドルと、今週予定の半分以上に相当した。

DAデビッドソンの債券担当バイスプレジデント、メアリー・アン・ハーレー氏は、「今週は非常に多くの債券が供給される」と指摘。「入札規模は今年は拡大し続ける」と述べた。

終盤の取引で10年債利回りは2.893%と、前週16日終盤から1.6ベーシスポイント(bp)上昇。 先週は2.944%と、4年ぶりの高水準を付けた。

2年債利回りは2.227%と、3.8bp上昇。5年債利回りは2.650%と、2bp上昇。一時は2.689%と、2010年4月以来の高水準を付けた。

<株式> 米国株式市場はダウとS&Pが7日ぶりに反落。米ウォルマート・ストアーズの大幅安が重しとなった。一方、米アマゾン・ドット・コムや半導体株の上昇が支えとなり、ナスダックはほぼ横ばいだった。

ウォルマートは10.2%安。1988年1月以降で最大の下落率となった。第4・四半期(11─1月)決算で利益が市場予想を下回ったほか、ネット通販売上高の伸び鈍化が響いた。

米国株は1月26日の高値から10%を超す急落となったが、前週には値を戻し、週間の上昇率が5年ぶりの大きさになるなど値動きの荒い展開が続いていた。S&Pは20日の下げにより、支持線である50日移動平均線を再び下回った。

グローバル・マーケッツ・アドバイザリー・グループ(ニューヨーク)のシニア市場ストラテジスト、ピーター・ケニー氏は「経済情勢や企業業績の観点で言えば、基本的な枠組みは変わっていないが、ウォルマートは明らかに市場に恐怖感をもたらした」と指摘した。

<金先物> 金塊先物相場は、ドルが対ユーロで上伸したことなどを背景に売りが優勢となり、反落した。中心限月4月物の清算値は前週末比25.00ドル(1.84%)安の1オンス=133 1.20ドル。

主要な米経済指標の発表がなく新規の手掛かり材料に欠ける中、この日の外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される金相場は割高感に圧迫され、朝方からほぼ一本調子で下落した。

ただ、トランプ米政権が中国などからの鉄鋼・アルミニウム輸入を制限するため貿易制裁を科す可能性を示唆しているなど、地政学的に見て先行きが不透明な面もあることから、「資金の逃避先」である金の需要は今後拡大する可能性があるとの見方もあった。市場の注目は、翌21日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に集まっている。

<米原油先物> 原油先物相場は、米国内の供給過剰懸念が後退したことなどを背景に買いが入り、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値は前週末比0.22ドル(0.36%)高の1バレル=61.90ドル。4月物の清算値は0.24ドル高の61.79 ドルだった。

カナダのパイプライン運営会社トランスカナダが11月の原油漏れ事故の影響でその後も米国への送油量を制限しているとの報に加え、米調査会社ジェンスケープのデータでWTIの受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫が推定で前週比210万バレル減少したとの報が伝わったことら、米国内の供給過剰懸念が和らぎ、原油に買いが入った。

また、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相がロイターとのインタビューで、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の主要国が6月の 会合で、石油市場における大きなショックを回避するため、今後の協力継続について協議すると表明したことも相場を下支えしたもよう。このほか、昨年から開始されたOPEC 主導の協調減産により、主要産油国の供給がおおむね制限されていることも引き続き支援材料。

ただ、この日の外国為替市場ではドルが対ユーロで上伸。ドル建てで取引される原油などの商品に割高感が生じたことから、相場の上値は抑えられた。

ロイター
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