ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(26日)

2018年01月27日(土)07時29分

[26日 ロイター] - <為替> ドル/円が一時108円台前半に下落。その後はやや値を戻し108円台後半での取引。黒田日銀総裁の発言が材料視された。

黒田総裁は、スイスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(WEF、ダボス会議)で、インフレ率が日銀が目標としている2%に達するのを阻む複数の要因が存在しているものの、賃金と物価は緩やかに上昇しており、目標に近づきつつあるとの認識を示した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.33%安の89.1。週間では1.6%の下落となる勢い。トランプ米大統領は25日、CNBCのインタビューで「ドルがさらに強くなり、最終的には強いドルが望ましい」と指摘し、当初のムニューシン米財務長官の発言は誤って解釈されたとの認識を示した。

ユーロ/ドルは0.15%高の1.2413ドル。前日は約3年ぶりの高値となる1.2536ドルをつけていた。UBSウエルスマネジメントはユーロ/ドルの6カ月見通しを従来の1.22ドルから1.28ドルに上方修正した。

<債券> 昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値や、日銀の黒田東彦総裁発言を受け、国債利回りが上昇した。

米商務省が発表したGDP速報値は年率換算で前期比2.6%増と、市場予想の3.0%増を下回った。ただ市場の反応は限られ、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)ほど押し下げられた。その後は堅調に推移し、投資家が景気基調になお自信を抱き、3月利上げの可能性を見込んでいることをうかがわせた。

日銀の黒田総裁が世界経済フォーラム年次総会(WEF、ダボス会議)で、インフレ率が日銀が目標としている2%に達するのを阻む複数の要因が存在しているものの、賃金と物価は緩やかに上昇しており、目標に近づきつつあるとの認識を示した。これを受け、米国債利回りは午後も高めに推移した。

米東部時間午後3時26分(日本時間27日午前5時26分)時点で、10年債利回りは2.660%と、前日終盤の2.621%を上回った。

2年債利回りは一時2.132%と、2008年9月以来の高水準をつけた。

<株式> 主要株価3指数がそろって終値で最高値を更新した。インテルや製薬アッヴィなどの一連の好決算が追い風となった。ドル安も相場を支えた。

インテルは10.55%高で終了。取引時間中には2000年10月以来の高値を更新した。前日引け後に発表した第4・四半期決算はデータセンター部門が好調で、利益と売上高がともに市場予想を上回り、高利益率のデータセンター事業へのシフトが奏功していることが浮き彫りとなった。

アッヴィも最高値を更新し、13.77%高で取引を終えた。四半期決算は利益が予想を上回ったほか、米法人税率引き下げを踏まえ、2018年通年の業績見通しを大幅に引き上げた。

アッヴィが主導し、S&Pヘルスケア株<.SPXHC>は2.17%上昇し、2016年11月以来の好成績となった。

同業ファイザーも4.78%高。欧州医薬品庁(EMA)の小委員会は、ファイザーとメルクが共同開発した糖尿病治療薬「ステグラトロ」の承認を勧告した。

朝方発表された2017年第4・四半期の国内総生産(GDP)の速報値は市場予想を下回ったものの、好調な企業決算が注目されたことで、市場の反応は限定的となった。

米コーヒーチェーン大手のスターバックスは4.23%安。前日引け後に発表した第1・四半期(10-12月)決算は、米州の既存店売上高が予想を下回る伸びにとどまったほか、2018年の世界既存店売上高の伸びが従来予想の下限にとどまるとの見通しを示した。

<金先物> 前日のトランプ米大統領による「強いドル」発言が響く形となり、4日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値は前日比10.80ドル(0.79%)安の1オンス=1352.10ドル。週間では1.43%上昇。

前日はドル安・ユーロ高などをはやし、2016年8月上旬以来約1年5カ月ぶりの高水準で清算値を確定していた。しかし、トランプ氏が米テレビとのインタビューで「ドル はより強くなる」などと発言したことが報じられると、対主要通貨でのドルの買い戻しが活発化。このため、ドル建てで取引される金塊は割安感が薄れたことで売られ、利益確定の動きも加わって、25日午後の段階で一時1343.70ドルまで下落していた。 この日早朝にかけては再びドルに下押し圧力がかかったため、金相場は下げ幅を縮小し たが、その後も軟調に推移した。

<米原油先物> 対ユーロでのドル安基調を背景に買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値は前日比0.63ドル(0.96%)高の1バレル=66.14ドルだった。4月物は0.60ドル高の65.97ドルとなった。

外国為替市場では、この日も対ユーロでのドル安地合いが続いた。このため、ドル建て で取引される原油などの商品の割安感につながり、原油が買い進まれた。朝方は利益確定などの売りに押され、もみ合いとなっていたが、米株式相場が上げ幅を拡大する中、投資家のリスク回避姿勢が後退し、リスク資産とされる原油にも買いが入った。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三井住友FG、米ジェフリーズに1350億円を追加出

ワールド

ウクライナ、新たなIMF融資模索 現行融資は27年

ワールド

マクロスコープ:自民総裁選、高市氏に立ちはだかる二

ビジネス

英公的部門借入、公式予測を大幅に上回る 財務相の課
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中