ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請件数、45年ぶり低水準

2018年01月19日(金)00時44分

[ワシントン 18日 ロイター] - 米労働省が18日に発表した13日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比4万1000件減の22万件と、1973年2月以来、約45年ぶりの低水準に改善した。

ただ複数の州が推計値だったため、統計は誇張されている可能性が高い。市場予想は25万件だった。

前週の数字は改定されず、26万1000件だった。

申請件数は前週まで、4週連続で増えていた。エコノミストらは、祝日や異常低温などの季節調整が困難だったことを指摘する。

カリフォルニア州とアーカンソー州、ケンタッキー州、メーン州、ハワイ州、バージニア州、ワイオミング州は推計値だった。15日はキング牧師誕生記念日の祝日で政府機関は閉まっていた。

労働省当局者によると、数カ月前にハリケーン「イルマ」と「マリア」によってインフラ設備が破壊した米領バージン諸島では依然としてデータ処理に影響が出ている。米領プエルトリコもまだデータ処理が正常業務に戻っていないという。

新規申請件数は30万件を切ると労働市場が力強いとされるが、件数は150週連続でこの水準を下回っている。この期間は労働市場が今より小さかった1970年に記録して以来の長さとなる。労働市場はほぼ最大雇用状態にあり、失業率は17年ぶりの低水準となる4.1%だ。

週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は6250件減の24万4500件となった。

今回の失業保険申請件数は、1月の雇用統計と調査期間が重なっている。申請件数の4週移動平均は昨年12月から1月にかけての調査期間に8500件増えた。1月の雇用統計で雇用の伸びがいくぶん弱まったことを示唆する。12月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月から14万8000人増えた。11月は25万2000人増加していた。

労働市場が最大雇用状態に近づく中、雇用の伸びはペースが鈍化している。適切な人材を見つけることが困難であると報告する企業が増えている。全米の求人件数は現在、約590万件だ。

17日に公表された2017年11月下旬ー12月の全米12地区の連邦準備銀行による景況報告(ベージュブック)は、「ほとんどの地区が、引き続き労働市場が引き締まり、多岐にわたる技術や部門において適切な人材を探すことが難しい」と指摘した。

2週間以上手当を受けている失業保険受給者の総数は、6日までの週で7万6000件増の195万2000件だった。4週移動平均は4000件増の192万1000件。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハマス、カイロに代表団派遣 ガザ停戦巡り4日にCI

ワールド

フランスでもガザ反戦デモ拡大、警察が校舎占拠の学生

ビジネス

NY外為市場=ドル/円3週間ぶり安値、米雇用統計受

ビジネス

米国株式市場=急上昇、利下げ観測の強まりで アップ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中