ニュース速報

ビジネス

中国をA+に1段階格下げ、信用拡大リスク指摘=S&P

2017年09月21日(木)21時04分

 9月21日、格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは中国の長期ソブリン格付けを「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げたと発表した。写真は中国の国旗、北京で1月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

[21日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは中国の長期ソブリン格付けを「AAマイナス」から「Aプラス」に1段階引き下げたと発表した。声明で「力強い信用拡大が長期間続き、中国の経済・金融リスクが高まったとの評価に基づく格下げ」と指摘。格付け見通しは「安定的」とした。

企業レバレッジ縮小に向けた中国政府による最近の動きについて、金融リスクを中期的に安定させる可能性があるとしたが、「今後2-3年の信用の伸びは、金融リスクを徐々に高める水準にとどまると見通している」との見方を示した。

短期格付けはAー1プラスからAー1に引き下げた。

今回の格下げでS&Pの中国格付けは、ムーディーズとフィッチの格付けと同水準になる。

5年に1度の共産党大会開催を来月に控え、このタイミングで格下げされたことについてノムラ(シンガポール)のエコノミスト、ロブ・サバラマン氏は、企業のレバレッジ解消や国有企業再編などまだ手つかずの、痛みを伴う改革を断行する必要があると中国当局者に認識させるためには時宜にかなっていると説明した。

その上で「中国は成長率から成長の質に焦点を移す必要がある。今年中に中国が成長率目標を6─6.5%に引き下げるか、もしくは目標を設定しないかのどちらかにすることを期待している。それはプラスの兆候となる」と語った。

ミズホ・バンク(香港)のアジア通貨担当のシニアストラテジスト、ケン・チャン氏は、他の格付け2社と同じ水準にするための格下げであり、金融市場への影響は限定的との見方を示した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、ロシア産LNG積み替え禁止など協議 新たな制

ビジネス

韓国外貨準備、4月は19カ月ぶり大幅減少 介入で

ビジネス

テスラがソフトウエアやサービスなどの部門でレイオフ

ワールド

ヨルダン国王、イスラエルのラファ侵攻回避訴え 米大
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 2

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 7

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 10

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中