ニュース速報

ビジネス

ドル109円前半、ジャクソンホール待ち

2017年08月24日(木)15時35分

 8月24日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル高/円安の109円前半。午前の取引では、米ジャクソンホールでの経済シンポジウムを前に模様眺めの姿勢が広がるなか、国内勢の買いを支えにじり高で推移した。写真は都内で2011年8月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル高/円安の109円前半。午前の取引では、米ジャクソンホールでの経済シンポジウムを前に模様眺めの姿勢が広がるなか、国内勢の買いを支えにじり高で推移した。ただ、午後に入ると調整売りが先行し、109円の前半でじり安となった。

朝方の取引では、トランプ米大統領が前日、政府機関の閉鎖が必要になってもメキシコ国境に壁を建設するなどと発言し、ドルが売られた流れを受けて、ドルは一時108.85円に下落。ただ、その後は小安く寄り付いた日経平均が下げ幅を縮めるのを眺めつつ、じりじりと持ち直して109円を回復した。しかし、午後に入るとドル買いは失速した。

きょうから始まるジャクソンホールでの経済シンポジウムについては「米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は中立的な発言をするのではないか」(FX会社)との見方が聞かれた。

ただ、昨年の同シンポジウムでは、同氏が中立的な発言をしたにもかかわらず市場がタカ派寄りと解釈した経緯があり、「今回も同様の反応を市場が示す可能性がある」(同)という。

債券市場では、米国の債務上限が、資金手当てができているとされる9月末までに引き上げられない可能性に対する懸念が広がっている。この懸念が、安全資産としての米国債への資金流入を促し、米長期金利の上値を抑えている。

フィッチ・レーティングスは23日、米連邦債務上限が適時に引き上げられなければ、同国の「AAA」格付けを見直す可能性を指摘した。

午後3時時点の米10年債利回りは2.175/2.173%の気配で前日ニューヨーク終盤より若干上昇している。

「債務上限問題は、民主党と共和党の間の政争の具としてこれまで使われてきたが、大統領に対する信任が低下している状況の下、以前に比べてリスクが増しており、市場に波紋をもたらすかもしれない」とマーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表、亀井幸一郎氏は話している。

ユーロは1.18ドルを挟んで底堅い値動きを見せた。

ユーロは前日、ユーロ圏やドイツの製造業PMIなどの経済指標が市場予想を上回ったことを受けて1.18ドルを回復したが、「トランプ大統領への警戒感によるドル売りがユーロを押し上げた面が大きい」(国内金融機関)との指摘も聞かれた。

あすは北朝鮮の記念日のため、地政学リスクへの警戒感もくすぶる。

        ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.09/11 1.1803/07 128.77/81

午前9時現在 108.89/91 1.1814/18 128.64/68

NY午後5時 109.02/05 1.1805/10 128.73/77

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

海運マースク、第1四半期利益が予想上回る 通期予想

ビジネス

アングル:中国EC大手シーイン、有名ブランド誘致で

ビジネス

英スタンチャート、第1四半期は5.5%増益 金利上

ワールド

トルコ製造業PMI、4月は50割れ 新規受注と生産
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中