ニュース速報

ビジネス

ユーロ離脱の恩恵は幻想、通貨安で問題解決できず=ECB総裁

2017年02月03日(金)01時40分

2月2日、ECBのドラギ総裁は単一通貨ユーロからの離脱はどの加盟国の利益にもならないとし、経済問題の多くは政治に起因しており、通貨安は解決策とはならないとの考えを示した。写真は1月19日、フランクフルトで記者会見する同総裁(2017年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2日、単一通貨ユーロからの離脱はどの加盟国の利益にもならないとし、経済問題の多くは政治に起因しており、通貨安は解決策とはならないとの考えを示した。スロベニアのユーロ導入10年の記念イベントで述べた。

欧州ではポピュリズム(大衆迎合)の高まりを背景に、ユーロ懐疑派が勢いを増している。ユーロ反対派は柔軟性のある為替相場は通貨安を通じて競争力の回復を促し、終わりのない緊縮財政からの脱却を可能にすると主張している。

だがドラギ総裁は欧州の経済問題の根本原因は政治的なものであり、これが通貨ユーロへの信頼感を損ねていると批判。「改革を実行している国は、持続的な成長を実現するのに柔軟な為替相場に依存していない」とし、「生産性の伸びが低い国は、深刻な構造問題が原因であり、為替相場は問題の解決策とはならない」と述べた。

構造改革の進展の鈍さや欧州連合(EU)財政規律の徹底の甘さ、金融統合の脆弱さなどが問題だと指摘した。

その上で「通貨ユーロがこれらの問題の原因ではないことを明確にする必要がある」とした。

またユーロ圏は単一通貨によって強化された開かれた経済に引き続きコミットすべきとし、後戻りは誤りだと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアで対独戦勝記念式典、プーチン氏は連合国の貢献

ワールド

韓国地裁、保守系候補一本化に向けた党大会の開催認め

ビジネス

米労働市場は安定、最大雇用に近い=クーグラーFRB

ワールド

パナHDが今期中に1万人削減、純利益15%減 米関
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中