ニュース速報

ビジネス

英中銀、いずれ追加刺激策が必要に=副総裁

2016年09月28日(水)21時11分

9月28日、英中銀のシャフィク副総裁は、英国のEU離脱決定のショックに対処するため、中銀は「いずれかの時点で」追加の景気刺激策が必要になる公算が大きいとの見解を示した(2016年 ロイター/TOBY MELVILLE)

[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のシャフィク副総裁は、英国の欧州連合(EU)離脱決定のショックに対処するため、中銀は「いずれかの時点で」追加の景気刺激策が必要になる公算が大きいとの見解を示した。

「(EU離脱が決まった)国民投票を受けて、英国はかなり大きな経済的ショックに見舞われることは疑いないと考えている」と指摘した。

シャフィク副総裁は、英国企業によるEU市場へのアクセスが縮小する可能性に言及し、離脱手続きの長期化は企業投資の見通しの足かせになるとの見方を示した。

また、経済が変化に対応していく過程は痛みを伴うと指摘し、「そこは金融政策で下支えできる部分で、経済活動の減速が致命的な結果をもたらすことのないよう、いずれかの時点で追加の刺激策が必要になってくると思う」と述べた。刺激策の実施時期は今後の指標次第との見方を示している。

また、先行指標は改善しており、景気減速が懸念していたよりも急激ではない可能性を示しているとした。

副総裁は講演後、11月の金融政策委員会での利下げはあり得るかとの質問に対しては「財政政策も重要だ」と答え、11月の中銀会合後に発表される財務省の予算案も中銀の決定に影響すると指摘。そのうえで第3・四半期の成長率や労働市場の指標に触れて「景気刺激策が必要であることを示すデータがその前に出ていれば、無論それに基づき対応する」と述べた。

先月の利下げについて擁護し、「後手に回るよりは、機先を制して動きたい」と述べた。

英国経済については最近の一部指標が示しているように明るいかどうかは注意が必要とし、「先行きを示す指標のなかで投資の意向を示すものは、引き続きかなりの懸念要因だ。このため不透明感がほぼ解消したとは考えていない」と述べた。

そのうえで「8月には急激かつ短期のほぼV字型の景気(回復)を見込んでいたが、どちらかというとU字型と考え始めている」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

2日に3兆円超規模の円買い介入の可能性、7日当預予

ワールド

OECD、英成長率予想引き下げ 来年はG7中最下位

ビジネス

海運マースク、第1四半期利益が予想上回る 通期予想

ビジネス

アングル:中国EC大手シーイン、有名ブランド誘致で
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中