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日銀の15年度決算、円高などで5年ぶり減益 国庫納付も減少

2016年05月27日(金)19時09分

 5月27日、日銀が発表した2015年度決算によると、最終利益に当たる当期剰余金が前年度比59.3%減の4110億円となり、5年ぶりに減少した。写真は日銀、2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 27日 ロイター] - 日銀が27日発表した2015年度決算によると、最終利益に当たる当期剰余金が前年度比59.3%減の4110億円となり、5年ぶりに減少した。

為替の円高によって外為関係損益が損失に転じたほか、大規模緩和の推進と出口の局面での収益平準化を図るために拡充した引当金への積み増しなどが減少要因となった。

この結果、国庫納付金は3905億円となり、前年度の7567億円から減少した。

15年度の損益は、金利低下によって運用利回りが低下したものの、国債を中心とした大規模な資産買い入れによって運用資産が増加したため、経常収入は前年度比2515億円増の1兆3963億円となった。

一方、円高の進行に伴って保有外貨資産に4083億円の為替差損が発生。この結果、経常利益は7626億円と5年ぶりの減益となった。

為替損失に伴って外国為替等取引損失引当金2041億円を取り崩す一方、15年度から拡充した債券取引損失引当金に4501億円を積み立てた。

自己資本比率は、債券取引損失引当金の積み増しで自己資本残高が増加したものの、分母にあたる銀行券残高も増加したため、8.05%と前年度の8.20%から低下した。

日銀はマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)のもとで大規模な国債買い入れを続けている。この間の金利低下によって日銀が保有する国債の含み益は16年3月末で15兆2200億円に達している。

日銀は会計上、保有国債の評価方法について償却原価法を採用しており、時価の変動が損益に反映されることはないが、仮に国債金利が全年限にわたって1%上昇した場合、保有国債の時価総額は20兆6000億円減少し、含み損に転じることになる。

(伊藤純夫 編集:田中志保)

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