ニュース速報

ビジネス

米年末商戦は静かな滑り出し、ブラックフライデー客足はそこそこ

2015年11月28日(土)08時05分

 11月27日、米年末商戦が本格化する「ブラックフライデー」は、比較的静かな滑り出しとなっている。写真は米シカゴのターゲットで買い物したテレビを運ぶ顧客。(2015年 ロイター/Jim Young)

[ピッツバーグ/シカゴ 27日 ロイター] - 27日、米年末商戦が本格化する「ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)」は、比較的静かな滑り出しとなった。

オンライン販売が好調となっていることや、米小売各社が感謝祭当日の26日夜からセールを開始し、買い物客の多くがブラックフライデーを待たずにセール品を購入したこともあり、27日朝の小売店舗への客足はそこそこといった状況となった。悪天候の影響や、消費者が引き続き支出に慎重なっていることも背景にある。

小売各社はオンライン小売り大手アマゾン・ドット・コムからの競争をかわし、顧客取り込みに向け、感謝祭から営業を行っている。アナリストはこうした状況がここ数年ブラックフライデーの売上高を圧迫してきており、今年も同様のトレンドが続いていると指摘する。

デロイトのジェフ・シンプソン氏は、小売各社が「年間を通じ値引きなどを実施したことを反映した結果」と指摘。27日の客足は薄く、26日夜の客足は自身の予想ほどではなかったと述べた。

アナリストは、消費者が年末商戦の買い物の最大20%を、今週末26─29日に済ますと予想している。

米小売り4500サイトへのアクセスを追跡したアドビ・デジタル・インデックスによると、27日午前零時から午前11時までのオンライン売上高は8億2200万ドルとなった。前年から15%増となったが、予想の19%を下回る伸びにとどまった。

米株式市場では、小売株は軒並み下落し、ダウ・ジョーンズ小売株価指数は0.15%安で終了した。

ウォルマート・ストアーズは約0.5%、百貨店JCペニーは約0.7%、メーシズは約1%、家電量販最大手ベスト・バイは1.5%それぞれ下落した。

唯一ディスカウント大手ターゲットが上昇し、約0.4%高で終了。コーウェンのアナリストが、同社の値引き戦略を評価したことが材料視された。客足も好調だったもよう。

ティーン衣料品のアメリカン・イーグル・アウトフィッターも40%の値引きが奏功し、客足が増加した。

27日は買い物客の賑わいに欠けたものの、26日夜は全米の多くの小売店舗で好調な客足が見られたほか、ケンタッキー州のショッピングモールでは、買い物客の間でけんかが発生し、警察官が止めに入るといった騒ぎも報じられている。

また、アドビ・デジタル・インデックスによると、26日午前零時から午後5時までのオンライン売上高は前年比22%増の10億ドル超となった。

今年のブラックフライデーの目玉セールには、ベスト・バイによる韓国サムスン電子の60型画面テレビの700ドル引き、ターゲットの75ドル以上の買い物で20%引きなどが含まれる。また、アマゾン・ドット・コムはタブレット端末「キンドル」を49.99ドルで販売。

緩慢なペースでの雇用や賃金の伸びを背景に、消費者の間では引き続き支出に慎重になっている状況もある。全米小売業協会(NRF)は、2015年の米年末商戦の小売売上高が3.7%増と、前年の4.1%増から伸びが鈍化することを見込んでいる。

米国でブラックフライデーの魅力が薄れつつある半面、今年は英国版ブラックフライデーが好調で、英国の百貨店やショッピングモールは買い物客で賑わった。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

内外の諸課題に全力で取り組むことに専念=衆院解散問

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中