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ドルは118円後半、下値では実需の買い流入

2015年04月27日(月)12時15分

 4月27日、正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の118円後半だった。株価の下げ幅拡大で下押しされる場面もあったが、実需筋の買いが下値を支えた。写真は、ドル紙幣を数える両替商、15日撮影(2015年 ロイター/Murad Sezer)

[東京 27日 ロイター] - 正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の118円後半だった。株価の下げ幅拡大で下押しされる場面もあったが、実需筋の買いが下値を支えた。

今週は日米金融政策イベントの動向が最大の焦点となっており、週前半は動きづらいとの見方も出ている。

朝方のドル/円は118.90円台で推移していたが、小高く始まった日経平均株価がマイナス圏に沈んで下げ幅を拡大すると118.77円まで下押しされた。ただ、118円後半では輸入企業のドル買い/円売りも流入。仲値に向けて持ち直し、119.01円まで上昇した。

市場では「先週120円を見せられた後なので、とりあえず足元は買っておこうという感じ。ここが円高の一番下だからどんと買ってやれというのではなく、ちょっとずつ手当てしている」(邦銀)との声が出ていた。

仲値通過後は伸び悩み、正午にかけてじりじり下げた。市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合を控え、きょうは動きにくいイメージがあるとの声が出ていた。「日銀決定会合前に思惑も出やすい。要人発言などで動く可能性もあるので注意したい」(国内金融機関)という。

<日銀決定会合に注目>

市場では30日の日銀決定会合で金融政策の変更があるか、注目を集めている。可能性は低いとする向きが多いようだが、一部に追加緩和期待があり、仮に現状維持となった場合は、いったん失望売りを誘う恐れがあるという。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(21日までの週)によると、円の売り越しは1万4448枚で、前週の2万3070枚から減少した。市場では「参加者が円ショートへの興味を失っていることを合わせて考えると、しばらくはドルの下向きの圧力が続くものと思われる」(上田ハーローの外貨保証金事業部長、山内俊哉氏)との見方が出ていた。

市場からは、国内勢買いが薄くなる大型連休中に円高となるリスクを指摘する声も聞かれた。「東京に参加者がいるうちは(ドルは)118円台を維持しそうだが、5月は株価の調整が入るとの思惑も出やすく、連休中は117円台まで下げる可能性もあるので注意が必要だ」(国内金融機関)という。

先週末は、米3月耐久財受注で民間設備投資の先行指標である非国防資本財から航空機を除いたコア受注が0.5%減となり、ドル売り材料にされた。市場では「29日に発表される米国の1─3月期国内総生産(GDP)が悪い数字になるとの警戒感が広がった」(同)との声が出ていた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

正午現在   118.87/89 1.0862/66 129.13/17

午前9時現在 118.92/94 1.0864/68 129.20/24

NY午後5時 118.90/96 1.0872/77 129.31/35

(為替マーケットチーム)

ロイター
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