最新記事
ロシア

ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米当局が分析=WSJ

2024年4月28日(日)21時19分
ロイター
ナワリヌイ

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は27日、事情に詳しい関係者の話として、ロシア北極圏の刑務所で2月に死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏について、プーチン大統領が殺害を命じなかった可能性が高いと米情報当局が判断したと報じた。モスクワで3月撮影(2024年 ロイター)

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は27日、事情に詳しい関係者の話として、ロシア北極圏の刑務所で2月に死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏について、プーチン大統領が殺害を命じなかった可能性が高いと米情報当局が判断したと報じた。

米情報当局は、機密情報のほか、ナワリヌイ氏の死亡が3月のロシア大統領選が間近に迫る時期だったこと、大統領選に与える影響などを分析し判断を示した。この見解は米中央情報局(CIA)、米国家情報長官室(ODNI)、米国務省情報部門など複数の機関で共有されているという。

ただ、ナワリヌイ氏が何年も前からロシア当局から危険人物視され、西側諸国が政治的動機によるものと指摘する罪で収監され、2020年には毒殺未遂も起きていることから、米政府はプーチン大統領がナワリヌイ氏死亡の責任を免れないと考えている。

ロイターはWSJの報道内容を独自に確認できていない。

ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、報道を確認したとした上で「注目に値する質の高い内容とは言えない」と語った。ロシア政府はナワリヌイ氏死亡への国の関与を強く否定している。

ナワリヌイ氏の側近を長年務めたレオニード・ボルコフ氏は米当局の判断について、認識が甘く、ばかげていると述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

SHEIN、米事業再編を検討 関税免除措置停止で=

ビジネス

中国中古住宅価格、4月は前月比0.7%下落 売り出

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

米関税で見通し引き下げ、基調物価の2%到達も後ずれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中