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インドネシア中銀、政策金利を据え置き 準備率引き下げ
[ジャカルタ 20日 ロイター] - インドネシア中央銀行は20日、主要政策金利である7日物リバースレポ金利
ロイター調査では、エコノミスト22人中19人が政策金利据え置きを予想していた。中銀は預金ファシリティー金利
ペリー・ワルジヨ総裁によると、銀行の預金準備率は7月から50ベーシスポイント(bp)引き下げる。
これに先立ち米連邦準備理事会(FRB)は、国内外の経済リスクの高まりに対応する用意があると表明。市場では早ければ来月にもFRBが利下げに踏み切るとの見方が強まっている。
インドネシアの第1・四半期の経済成長率は、投資の減速を背景に市場予想を下回っており、昨年の金融引き締めを解除する根拠が増している。インド、マレーシア、フィリピンの中銀は、景気支援のため、今年すでに利下げを実施している。
ワルジヨ総裁は「利下げを検討する上では2つの点を注視していると伝えてきた。国際金融市場の状況と対外収支だ」と指摘。「利下げは将来我々が講じる措置であり、時期と規模の問題だ」と述べた。
さらに海外市場に影響を及ぼしている大きな問題は米中貿易戦争であるとの見方も示し、FRBの金融政策について、今年は現状維持するというのが中銀のベースシナリオだが、貿易戦争が米経済に及ぼす影響によっては2020年末にかけて最大75bpの利下げをする可能性があると指摘した。
中銀の発表を受け、ルピア
インドネシア中銀は、昨年5─11月に政策金利を6回、計175bp引き上げた。米利上げを受けてルピアを防衛することが狙いだった。
<流動性を供給>
ワルジヨ総裁は、経済成長は現在、中銀の予想(5.0─5.4%)の中央値を下回るペースと述べた。
総裁は国内消費を支援する取り組みが必要と指摘。与信の伸びを加速させる余地があるとし、今回の準備率引き下げで、銀行システムには融資に振り向けられる25兆ルピア(18億ドル)の流動性が供給されると述べた。
スリ・ムルヤニ財務相は前週、議会で、政府の今年の成長率目標(5.3%)達成に向け努力するが、世界成長減速の影響で未達の可能性もあると述べていた。
マンディリ銀行のチーフエコノミスト、アンドリー・アスモロ氏は、25bpの利下げは、当初想定していた第4・四半期でなく第3・四半期になりそうだと予想。ただ、インフレ率が比較的低水準で安定し、国内投資環境が改善、経常赤字の縮小、ルピアの安定が鍵となると指摘した。
5月の消費者物価上昇率は、ラマダン(断食月)の影響で前年比3.32%に拡大したが、中銀の目標レンジ(2.5─4.5%)には収まった。
ワルジヨ総裁は、経常赤字についてはGDP比2.5─3%との予想を維持した。中銀と政府は経常赤字を前年の3%から2.5%に縮小させることを目標としている。
*内容を追加します。