カマラ・ハリスの大統領選討論会「圧勝」が、もはや無意味な理由
ハイチ移民が犬や猫を食べているとトランプが主張したオハイオ州の町では、9月12日に爆弾騒ぎで小学校が閉鎖され、子供たちを守るために州兵が派遣された。トランプは自分が勝てば選管の担当者や政敵を投獄し、自分が「公正」と見なした場合のみ選挙結果を受け入れると言っている。
緊張と対立は社会のあらゆるレベルに広がっている。私は公の場で発言した際、ライフルを買うべきかという質問を何度か受けた。彼らは政治的暴力の蔓延を恐れているのだ。数十年来の友人だったトランプ支持者の何人かは、もう私と口を利かない。アメリカの民主主義は南北戦争以来、最大の脅威に直面していると、私は思う。
討論会はハリスへの支持を強めたが、トランプへの支持が減ることはなかった(何があっても45%前後だ)。既にアメリカ人は2週間前の討論会よりも、日々の選挙戦での「衝撃的事件」を懸念している。それでも多くの有権者は投票所に入ったとき、黒人移民が「犬や猫を食べている!」と人種差別むき出しで叫んだトランプの紅潮した顔を思い出すだろうが。

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