バイデンを苦しめる「三重苦」、トランプ再出馬なら「南北戦争」以来の危機に
ただし、地方の白人人口は相対的に減少しつつある。アメリカ人の54%はトランプに強く否定的だ。少なくとも得票総数では、トランプはバイデンを含むほぼ全ての民主党候補に勝てそうにない。
トランプ自身、連邦議会、ニューヨーク州とジョージア州の司法当局、連邦司法省から、犯罪行為や選挙違反の容疑で捜査を受けている。最近もトランプが退任の際、多数の公文書をフロリダ州の豪邸マールアラーゴへ持ち去った疑惑が浮上した。
だが共和党は、選挙制度に対する有権者の信頼を着実に崩壊させてきた。彼らが成立させた投票制限法には、24年大統領選の結果に不満を持つ候補者が異議を唱えることを容易にする規定もある。実際どちらかの政党が異議を唱えれば、極端に二極化した今のアメリカでは大規模な暴力事件が全米中で多発する恐れが十分にある。
もしトランプが大統領選に再出馬すれば、アメリカは1861年の南北戦争開戦以来、最悪の危機へと転落しかねない。
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
「トランプ大統領」の出現を19世紀に予見した男 2024.03.28
日本は尖閣沖の中国製漂流ブイを撤去せよ 2024.03.06
「ボストンを変えた」交響楽団に音楽監督として乗り込んだ小澤征爾が打ち破った上流社会の伝統 2024.02.28
まるで「対岸の花火」......日本人は金正恩の「ミサイル挑発」にどう向き合うべきか? 2024.02.06
フーシ派海賊攻撃と、国際秩序を不安定化させる「3体問題」 2024.01.23
もうEVに乗り換えるしかないのに、日本の「出遅れ感」と「痛恨のミス」が気になる... 2023.12.27