コラム

小室圭氏は実直ないい青年だと思う理由

2021年10月19日(火)16時26分

もちろん、いまや眞子内親王の夫となられる小室圭さんと、その母親が、「完全なる私人である」といえるかどうかは議論の分かれることであろう。古代・大和王権から続く天皇の娘との婚約者である小室一家には、漸次「身体検査」が必要であり、相応の品格が必要である、という気持ちも分かる。だが本当にそれは正であるのか。他者を糾弾できるだけの品格を自身は持っているのか。自らに問いただしてみたらよい。

当人が相思相愛であること以上に、眞子内親王と小室圭さんの婚姻を阻む要素は存在しない。繰り返すが、人様の恋路を論評することほど野暮なことは無い。なぜこれを素直に祝福しないのか。皇室にとっても慶事であることを祝福しないのは、不敬でありはしないのか。今一度よく自分自身を問うてみたらよろしい。

やたら引用される学生時代のモテ写真

小室圭さんを批判するネットユーザーの多くは、小室さんの母親の問題もさることながら、小室さんの学生時代の写真を引用することが多い。そこには、学習院時代に小室さんがクラブやら海の家やらで、やおら異性を囲んでピースサインをしているものが散見される。私もこの写真を見て、「畜生っ!小室というのはけしからんリア充であり、打倒すべき階級である。この小室が、眞子内親王をたぶらかしておるのだ!」と憤激した。しかし一時の激昂を過ぎると、小室さんの魂魄が判明してきた。

いうまでもないことだが、本当のリア充やナンパ師というものは、自分が異性と居る現場をアピールする写真を微温的に嫌う傾向がある。真のリア充は異性と一緒にいることが当たり前であるしアピールの必要性を持たぬ。また真のナンパ師はとりわけ自身が悪い意味で喧伝されることがナンパにとっての障害になると思っているからである。よってこうして堂々とスナップショットを撮られている小室さんというのは、実に善良な青年といえよう。真のリア充やナンパ師は、決してツイッターやフェイスブックに痕跡を残さない高度なステルス性を有する。つまり彼らは原子力潜水艦である。痕跡を残した時点でそれは工作の素人である。

プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 8
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story