コラム

中国覇権の背景に歴史捏造――ワシントン・シンポでも認識共有

2016年10月11日(火)16時20分

9月30日に北京で行われた「烈士記念日」の式典 Jason Lee-REUTERS

 中国による尖閣諸島への挑発行為が加速している。東シナ海のみならず南シナ海における覇権に関しても、共通しているのは背景に中国共産党による歴史の捏造があることだ。その関連性を考察する。

 (この記事に初めて接する読者のために重複説明があることをお許し願いたい。)

東シナ海と南シナ海覇権に関する関連性

 中国による尖閣諸島への挑発行為が加速している。

 特に南シナ海における中国の領有権主張に関してオランダ・ハーグの仲裁裁判所が「中国の主張は無効だ」とする判決を出して以来、国際法を無視した中国の猛反発が関係国間を席巻し、アセアン諸国においてラオスやカンボジア等を味方にしたことから勢いをつけ、逃げ切った形だ。

 フィリピンのドゥテルテ大統領は、大学時代の指導教官がフィリピン共産党の指導者であったこととチャイナ・マネーの誘惑が影響し、親中に傾く傾向にある。せっかくフィリピンを応援してあげようとしている日米に対して失礼な態度を取るなど、姿勢は実に不安定だ。特にオバマ大統領に関しては「地獄に落ちろ」などと罵倒し、アキノ前大統領時代に再開した在フィリピン米軍基地の存在さえ危うい状況だ。これも中国に有利に働いている。

 中国は南シナ海の領有権問題に関して「成功した」と自負している。そして中国にとっての「成功例」は、中国に「力による既成事実」を創り、先手を打ってしまう方が勝ちだということを学習させてしまった。

 それを応用しようとしているのが東シナ海における大胆な挑戦の原因の一つだ。

 しかし中国の海外覇権が意図するところには、実はもっと根源的な問題が潜んでいる。それは中国共産党政権が創りあげた「中華人民共和国」という国家に横たわっている「闇」だ。

プロフィール

遠藤誉

中国共産党の虚構を暴く近著『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)がアメリカで認められ、ワシントンDCのナショナル・プレス・クラブに招聘され講演を行う。
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。

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