コラム

「限界まで働きたい」エクストリーム・ワーカー(Xワーカー)たちの居場所

2019年06月21日(金)18時00分

Xワーカーは「働くこと自体が楽しい」と思っている点で長時間労働者と区別される Pablo_K-iStock

<長時間労働の是正、有給消化義務の徹底など働き方改革が謳われる一方、いつでも働いていたいという人が一定数いる>

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。

「絶対達成」という言葉を聞くと、働き方改革が進められている時代ですから「もっと働けと言うのか?」「ノルマ至上主義? 時代錯誤だ」と、極端な反応を示す人もいます。

「絶対達成」のコンセプトは、企業の目標ぐらいはあたりまえのように達成しよう、というだけの話です。ノルマ至上主義ではないし、長時間労働を推奨しているわけでもありません。にもかかわらず「そのような企業文化だと若者たちが離れていく」と言いだす経営者やミドルマネジャーが間違いなくいます。

日本人はもっと働き方を変え、長時間労働を是正しなければならないし、生産性の高い仕事をしなければなりません。まったくその通り。

今の日本企業において、ムダなことをやっている暇などありません。新しい発想で産業を生み出す創造的な仕事のやり方を模索すべきです。しかし悲しいかな、「生産性を上げること」と「短い時間でラクして働くこと」を同じように受け止める人が実際にいるのです。「働き方改革」がもたらす負の側面と言えます。

「エクストリーム・ワーカー(Xワーカー)」とは?

「仕事ばかりの人生はいや」「もっと余暇を楽しみたい」といった労働者が増えている一方、真逆の発想をする人も当然います。つまり、「働くのが好き」「遊ぶ暇があったら働きたい」「寝る時間を削ってでも働きたい」「働いて成果を出すのがたまらなく楽しい」......という人たちです。

スポーツ選手にたとえれば、わかりやすいと思います。
サッカーが好きでたまらない選手であれば、暇さえあればトレーニングし、ビデオを観たりして研究し、年中サッカーのことを考えたいと思うでしょう。

朝9時から夕方6時までしかサッカーの練習はダメ。勉強もダメ。分析、研究、次戦に向けた対策もダメなどと監督から言われたらどうでしょうか。窮屈に思いませんか。

さらに、世の中には、もっと過酷なスポーツに挑戦する人たちもいます。

自分の身体能力や度胸の限界を求めるスポーツを「エクストリーム・スポーツ」と呼びます。

スカイダイビング中に、パラシュートが開くまでボードを使った演技をする「スカイサーフィン」。スケートボードで舗装された坂道をハイスピードで下る「ストリートルージュ」。断崖絶壁から水着一枚でダイブする「クリフダイビング」など......。傍から見ていると危険で過激なスポーツです。しかしこの特殊なスポーツに熱狂する若者たちが、世界中にたくさんいるのです。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮が短距離ミサイルを発射、日本のEEZ内への飛

ビジネス

株式・債券ファンド、いずれも約120億ドル流入=B

ワールド

中国、総合的な不動産対策発表 地方政府が住宅購入

ビジネス

アングル:米ダウ一時4万ドル台、3万ドルから3年半
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 7

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    日鉄のUSスチール買収、米が承認の可能性「ゼロ」─…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story