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EU、新たな対ロ制裁提示延期へ トランプ政権要求に対応

2025年09月17日(水)00時20分

欧州連合(EU)当局者は16日、EU欧州委員会が対ロシア制裁第19弾について、加盟国への提示を延期する見通しだと明らかにした。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Jan Strupczewski Julia Payne

[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)当局者は16日、EU欧州委員会が対ロシア制裁第19弾について、加盟国への提示を延期する見通しだと明らかにした。トランプ米政権がロシアのウクライナ侵攻終結に向け、EUにより強力な役割を果たすよう求めており、こうした要求に対応するためとみられる。当局者2人は延期を認めたものの、理由については言及しなかった。

欧州委は17日にEU加盟27カ国に対し制裁案を提示する予定だった。外交筋によると、制裁案の対象にはロシアの銀行のほか、ロシアが制裁を回避して石油取引を行うために利用している「影の船団」と呼ばれる石油タンカー、他国によるEUと米国の制裁回避を阻止するための指定リストが含まれる可能性が高いとされていた。延期後の提示日程は未定。

ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領首席補佐官は強力な制裁案が遅滞なく決定されるようXに投稿し、EUに迅速な行動を促した。

トランプ大統領はEUに対し、ロシア産石油の主要購入国であるインドと中国に厳しい関税を課し、EU自体もロシアのエネルギー輸入を停止すべきだと伝えている。EUは2028年1月1日までにロシア産石油・ガスの購入を終了する意向だが、米政権はEUにより迅速な対応を求めている。ただ、EU当局者らは、中国とインドに制裁関税を課す可能性は極めて低いとする。EUは法的根拠を明確にする調査後に限って追加的な関税を課しているためだ。

EU外交関係者はロイターに対し「(トランプ氏の)提案は難題だ。意図的に過剰な要求をしているとしても、EUへの責任転嫁を避けるため、何らかの形で折り合いをつける必要がある」との見方を示した。

ロイター
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