
ベトナムと日本人
ベトナム起業家の日とは? 加速するベトナム経済と日本企業のチャンス

1. 起業家をたたえる国の記念日
毎年10月13日は「ベトナム起業家の日(Vietnam Entrepreneurs' Day)」です。1945年、ホー・チ・ミン主席が商工会に宛てた手紙で「国の繁栄は企業家の繁栄によって築かれる」と書かれていた事が、この日の起源です。
2004年に正式な記念日として制定されて以来、全国で表彰式や経済フォーラムが開かれ、起業家精神を称える象徴的な日となっています。
2. 政府と企業が直接対話する特別な日
この日は、単なる"記念日"ではありません。毎年政府高官や首相、各省が企業家と直接意見を交わす貴重な日です。税制、投資環境、デジタル化支援など、企業の声を政策に反映させる場として機能しています。
「起業家は国家の建設者である」という理念で、ビジネスをベトナムの国づくりの中心に位置づける姿勢があるのです。
3. 成長を続ける若い経済のエネルギー
この20年でベトナム経済は飛躍的に成長しました。製造業はもちろん、IT、物流、観光、農業テックなど、あらゆる分野で新興企業が誕生しています。
特に若い世代の起業家が多く、SNSやデジタル技術を活かしたビジネスが次々と生まれています。政府も「スタートアップ国家」を目指す方針を掲げ、ベンチャー投資や教育支援を強化中です。
4. 2026〜2030年:ベトナム"加速の5年"
そこで今後の注目は、ホーチミン市が掲げた2026年から2030年にかけての「加速の5年」です。
この期間にホーチミン市は公共投資の促進、社会資源の誘致、デジタル経済の発展、イノベーションに重点を置き、GRDPを8.5%に成長させることを目指しています。そして政府は起業支援基金の拡充、スタートアップ向け税制の優遇、海外企業との協業促進を柱に掲げている。
特に日本との連携は強まっており、日越スタートアップフォーラムや大学・自治体連携が増加。日本の技術や経営ノウハウを学びたいというベトナム側の声も高まっています。
5. 日本企業にとっての大きなチャンス
今、ベトナムは「国をあげて起業を応援する時代」に突入しました。
日本企業にとっては、若く活気ある市場で現地パートナーと共創できる絶好のタイミングです。
特に食品、教育、環境、ITなどの分野では、日本ブランドへの信頼が厚く、合弁やライセンス展開に向いています。ベトナムの熱量に日本の技術力が加われば、新しい市場価値が生まれるでしょう。
6. 未来を共に創るパートナーとして
10月13日の「ベトナム起業家の日」は、国の発展を支える挑戦の象徴です。ベトナムの成長スピードは今後さらに加速し、東南アジアの経済ハブへと進化していくでしょう。その波に乗ることで、日本企業も次代の新たな可能性を掴めます。今こそ、ベトナムと共に未来をつくる一歩を踏み出すチャンスの時です。
参考ウェブサイト
・cafef.vn
・tphcm.chinhphu.vn

- ヨシヒロミウラ
ベトナム在住。北海道出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。専攻はマーケティング。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と文化に魅了され現在まで在住。現在進行形のベトナム事情を執筆。日本製品輸入商社と人材紹介会社に勤務。個人ブログ: ベトナムとカンボジアと日本人 X: @ihiro_x Threads: ihiro_x