
スペインあれこれつまみ食い
2025年のGoogle検索ランキングで振り返るスペインの話題
2025年を締めくくるにあたり、Googleは毎年恒例の「Year in Search 2025」を発表しました。
この検索ランキングは、その年に人々が何を調べ、何に関心を向けてきたのかを示すデータとして、世界各国で紹介されています。
スペイン国内でも、毎年の恒例企画として、主にテクノロジー系メディアや一部ニュースサイトがこのランキングを取り上げており、一年間の関心傾向や社会の空気を振り返る材料の一つとなっています。
■ 2025年 スペインGoogle検索ランキング(総合・上位)
地元メディア報道によると、2025年のスペインにおける検索上位は以下のような内容でした。
1位:Apagón España(スペインの停電)
2位:Alerta lluvias(豪雨警報)
3位:Incendios España(スペインの山火事)
4位:Nuevo Papa(新しい教皇)
5位:Migración de la mariposa monarca(オオカバマダラの渡り)
6位:Lalachus
7位:La revuelta
8位:Flotilla Gaza
9位:Premio Planeta 2025
10位:Labubu
■ 1位「Apagón España」が示す社会インフラへの不安
検索された「Apagón España」は、2025年に発生した大規模停電を指しています。(過去ブログ:電気が止まったスペイン 筆者が体験し感じた生活の盲点)
停電はスペイン国内の交通網、通信サービスにまで幅広く影響を及ぼしました。人々は停電の原因、復旧状況、再発の可能性を知るため、繰り返しGoogle検索を行いました。
地元紙はこの検索結果について「エネルギー転換期にあるスペイン社会の不安が、検索という形で噴出した」と分析しています。電力や通信といったインフラが生活の前提となった現代において、この停電は強い心理的衝撃を与えたと言えるでしょう。
■ 災害関連ワードが上位を占めた背景
2位と3位には「Alerta lluvias」「Incendios España」が並びました。2025年もスペイン各地で集中豪雨、洪水、山火事が相次ぎ、自治体による警報や避難指示が頻繁に出されました。
検索ランキングに災害関連のワードが並んだ背景には、2025年にスペイン各地で集中豪雨や洪水、山火事が相次いだことがあります。各自治体が警報や注意喚起を出す場面も多く、天候の急変や被害状況について最新情報を確認するために、関連する言葉が検索される機会が増えました。
(過去ブログ:夏のスペイン 各地を襲う歴史的山火事)
■ 「Nuevo Papa」に見る宗教と国際関心
4位に入った「Nuevo Papa(新しい教皇)」は、スペイン社会における宗教的・文化的関心の根強さを示しています。世俗化が進む一方で、カトリック文化が歴史的に深く根付くスペインでは、バチカンの動向はいまだ一定の関心を集めるテーマです。
また、「Flotilla Gaza(ガザ支援船団)」といった国際問題に関する検索も上位に入りました。スペインでは、ガザ情勢をめぐる報道や議論が継続的に行われており、国内でも関心の高いテーマの一つとなっています。こうした背景から、関連ニュースや経緯を確認する動きが検索数の増加につながったと考えられます。
■ 注目された海外の自然ニュース
位に入った「Migración de la mariposa monarca(オオカバマダラの渡り)」は、北米で知られる蝶の大規模な季節移動を指しています。オオカバマダラは、毎年、繁殖地から越冬地まで長距離を移動することで知られており、その動向は海外ニュースや自然番組などで定期的に取り上げられています。2025年は、この渡りに関する報道が増えたことを受け、スペインでも基礎的な情報を調べる検索が増えました。
■ 意味や背景を確認するために検索された語句
「Lalachus」「La revuelta」「Labubu」、そして「Premio Planeta 2025」といった語も検索ランキングに入りました。これらは事件や災害のように明確な出来事を指す言葉ではなく、ニュースやSNS、番組名、文化イベントなどで断片的に目にした人が、「それが何を指しているのか」を確認するために検索したケースが多かったと考えられます。
特にSNSやネットメディアを通じて広まった言葉や名称は、文脈を知らないと意味が分かりにくく、検索によって補足情報を得る動きが起こりやすい傾向があります。今回ランクインしたこれらの語も、そうした「意味確認型」の検索が積み重なった結果と見ることができます。
2025年のGoogle検索ランキングには、その年にスペインで多く報道され、話題に上った出来事や言葉が並びました。災害や国際情勢のように状況を確認する必要があったものもあれば、ニュースやSNSで目にした名称の意味を確かめるために検索されたものも含まれています。
検索の仕方や情報の探し方は、AIの普及などによって少しずつ変わりつつあります。そうした中で、このランキングは、2025年に人々がどんな言葉を目にし、どんな場面で検索を使っていたのかを振り返る一つの記録と言えそうです。

- 松尾彩香
2015年スペイン巡礼(カミノデサンティアゴ)フランス人の道を完歩。スペイン語習得のために渡ったコロンビアでコーヒー農家になるもスペイン移住の夢が捨てられず、現在はコロンビアのコーヒー事業を継続しながらマドリードのベッドタウンでひっそりとスペインライフを満喫中。
Twitter: @maon_maon_maon























































