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イタリアの緑のこころ

石井直子|イタリア

2022年イタリアの夏 戻ってきた外国人観光客と感染・戦争・インフレで旅行日数・費用を減らすイタリア人旅行客

参拝者がいつになく多い今夏のラヴェルナ修道院 photo: Naoko Ishii 2022/7/24

 今年の夏は、アッシジやラヴェルナなど、アッシジの聖フランチェスコゆかりの地や修道院を訪ねても、また、トラジメーノ湖やオルヴィエートを訪ねても、特に7月に入ってからは、イタリア国内から、そして北欧を中心とする外国から、例年になく大勢の旅行者が、訪れているように思います。感染下の規制や感染の恐れで、2年間訪ねられなかったので、この夏こそはという思いからの旅行でしょうか。観光地は、以前よりもかえってにぎわっているところが多いように、自分たちの目で見て感じています。

 今日の夕方の全国テレビニュースでも、この夏は、外国からの観光客が、新型コロナウイルス感染拡大以前に匹敵するほど、イタリアの観光地に戻ってきていて、特に芸術の町や海で、その数が多いと伝えていました。また、ウンブリアの地方ニュースでは、外国人、イタリア人を問わず、あまりの猛暑が続くために、観光客は町よりも海や湖を好み、トラジメーノ湖やピエディルーコ湖など、湖の周辺地域はにぎわっているものの、町での滞在日数は短く、海のある他州へと行ってしまいがちであると伝えていました。

 アメリカや英国からの観光客が戻ってきたというニュースの一方で、イタリア人旅行者については、けれども、新型コロナウイルス感染症の拡大で、予定していた旅行がキャンセルされることも多く、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレーションのために、旅行の日数や費用が減って、国内あるいは近隣国への旅行が好まれ、また夏ではなく別の時期に旅行を考える人もいるという調査結果が出ているとのことです。

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 7月15日に発表されたホテル協会の調査結果によると、この夏に旅行をしたいと考えるイタリア人は3450万人いるものの、ウクライナ戦争と感染の恐れから、90%は目的地はイタリア国内と答え、最も人気があるのは海(74.6%)で、次いで、山(11.6%)と芸術の町(5.8%)が挙げられています。目的地は外国と答える9.8%のイタリア人も、うち78.1%は海に魅かれるためで、イタリア半島に近い国が好まれ、また、ロシア・ウクライナ戦争にとらわれずに旅行先を選ぶという旅行者は、わずか17.3%となっています。

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 一方、7月29日発表のイタリア商業連盟とSWGの調査によると、今年7月から9月にかけて旅行に出かけようと考えるイタリア人は、新型コロナウイル以前の2019年夏と同じく2700万人と多く、ただし、新型コロナウイルス感染拡大やインフレ、ガソリンや光熱費の高騰、イタリアの政治的不安定から、7月に出発する人は予定より450万人少ない1230万人であるとのことです。この夏は2019年に比べて、7日以上の旅行をする人が300万人近くも少なくなり、3日から6日、あるいは2泊だけの旅行が増えると推定されています。同時に平均旅行費用も、2019年に比べてこの夏は減少傾向にあり、3日から6日の旅行では、541ユーロから475ユーロに、1週間以上の旅行では、1252ユーロから1117ユーロにと、減少が予想されるとのことです。また、国内の旅行先として最も人気があるのはプーリア州で、次いで、エミリア・ロマーニャ州、続いて、トスカーナ州やシチリア州が人気とのことです。また、外国旅行の目的地はヨーロッパが多く、一番人気があるのがギリシアで、次いで、スペインやフランス、クロアチアも人気だとのことです。

 わたしたちは、この夏は、家庭の事情や仕事の都合から、まだ宿泊を伴う旅行には出かけていないのですが、フランスやドイツなど、ヨーロッパの他国に行きたい思いがある一方で、言葉に不安もある外国で万一感染したら大変でしょうから、やはりイタリア国内を、そして、できるだけ感染の機会の少ない山や海を中心に訪ねることになることでしょう。

 物価高は、ガソリン代や光熱費の高騰はもちろん、スーパーの食品も値上がりが目立ち、行きつけの店での食事代が、同じものを食べたり飲んだりしても、以前に比べて高くなっていますから、旅行先でもまた、ガソリン代や食事代が高いことが見込まれるわけで、それで、調査結果にあるように、旅の日数を減らしたり、できるだけ安く上げる工夫をしたりすることになってくることと思います。

 

Profile

著者プロフィール
石井直子

イタリア、ペルージャ在住の日本語教師・通訳。山や湖など自然に親しみ、歩くのが好きです。高校国語教師の職を辞し、イタリアに語学留学。イタリアの大学と大学院で、外国語としてのイタリア語教育法を専攻し卒業。現在は日本語を教えるほか、商談や観光などの通訳、イタリア語の授業、記事の執筆などの仕事もしています。

ブログ:イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia

Twitter@naoko_perugia

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