「海外メディアは忖度しない」は本当か?──注意すべきは「情報源」
しかしそれら外国の記事をきちんと読めば、独自取材ではなく、日本のオンラインメディアや雑誌、SNSなどの情報に基づいて書かれた内容だと分かる。
問題は、外国メディアが「統一教会」とした際の情報源だ。もちろん、情報源は容疑者ではない。警察は外国記者の取材に応じず情報を提供しないので、警察の回答に基づくものではないのもほぼ確実だ。
「外国メディアのほうが良い」と日本人は思いがちだ。だが、一概にそうとも言えない。注意すべきなのは情報そのものだけでなく、情報源だ。自分で確認できなくても構わない、「すごい」と思われる情報なら間違って伝えても構わない、と考える外国メディアもある。
その場合はどうでもいい情報を利用して、ガンガン書く。今回も「容疑者は自衛官時代に手製銃の作り方を学んだ」とか「容疑者は宗教団体幹部を待っていたが来なかったので、安倍を殺すことをその場で決めた」という報道があった。
どこまで証拠を押さえ、責任を持って報じるかは、それぞれの媒体の判断だ。今回のような事件の場合、情報が多すぎるので、整理した上で落ち着いた形で報道することが望ましい。
特に外国記者は一般的に、情報を確認したり証言や証拠を集めるのに日本の記者より時間がかかるから、他媒体との競争は無視し、必要な時間をかけて正確な情報を出すことが最も重要だ。
速報性よりも、確認できた正しい情報を重視する。それが報道の基礎だ。報道する人はその姿勢を忘れるべきではない。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。Twitter:@karyn_nishi
アマゾンに飛びます
2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い 2025.12.07
死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の意味を考えていない 2025.12.06
高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい 2025.12.03
文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗り越えられる 2025.11.13
外国人投資家の不動産爆買いに迷惑しているのは日本人だけではない 2025.10.23
報じられなかった中国人の「美談」 2025.10.22
ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳 2025.10.17
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/web系SE・PG/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
シニアコンサルタント/イタリア発外資ベンダー/大手企業への導入事例多数
Tagetik Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,500万円
- 正社員
-
外苑前/在宅可/データサイエンティスト 大手外資系保険会社グループのDXカンパニー/休暇制度充実
アフラックデジタルサービス株式会社
- 東京都
- 年収800万円~1,300万円
- 正社員
-
東京本社/外資系データセンター事業者向けUPS 無停電電源装置/の技術営業
株式会社TMEIC
- 東京都
- 年収590万円~960万円
- 正社員






