最新記事
台湾有事

台湾有事が「日本有事」を誘発する可能性大...最前線の南西部離島で広まる危機感、備えは十分か?

THE WAR PREP ISLANDS

2025年7月24日(木)14時50分
ジョン・フェン(東アジア政治担当)

newsweekjp20250724031900.jpg

中国とロシアは合同軍事演習でアメリカを牽制(14年、東シナ海) AP/AFLO

大規模な戦争が勃発する可能性が現実味を帯び、準備が着々と進められている緊迫した様子を島の住民は確かに感じ取っている。政府が「台湾有事」と呼ぶ状況が現実のものになれば自分たちが最前線に立たされることに、多くの住民が危機感を抱いている。

防衛相の中谷元は1月に八重山諸島を視察し、避難対策を確認。与那国町での記者会見で、竹富町における住民避難の取り組みについて「実に綿密に、詳細にわたって計画されている」とし、「国境離島における強い危機意識」を感じたと述べた。


台湾周辺での中国軍の活発な軍事行動は今や常態化しているばかりか、さらに増えている。米アナリストのジェラルド・ブラウンとベンジャミン・ルイスが運営する公開データセット「PLAトラッカー」によれば、台湾は昨年、防空識別圏への中国軍機の侵入を3000回以上も確認した。それまでの2年間からほぼ倍増している。

台湾の防衛改革は着実に進んでいるが、アメリカ国内の台湾支持派はそのスピードが十分ではないと感じている。台湾の政界や軍、市民団体のリーダーたちはロシアと戦うウクライナから、国際社会の支持を得る方法、海上ドローンや高機動ロケット砲システム(HIMARS)の活用方法、侵略者への抵抗手段などに関する教訓を学ぼうとしている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国、対米通商交渉で相互に合意可能な協定案準備 大

ビジネス

中国工業部門利益、6月は前年比4.3%減 マイナス

ワールド

北朝鮮金総書記、「反米」で勝利誓う 朝鮮戦争休戦7

ワールド

イスラエル、ガザで支援物資の空中投下再開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 2
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経験豊富なガイドの対応を捉えた映像が話題
  • 3
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や流域住民への影響は?下流国との外交問題必至
  • 4
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    運転席で「客がハンドル操作」...カリフォルニア州、…
  • 9
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「電力消費量」が多い国はどこ?
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心中」してしまうのか
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 5
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 6
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 7
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 8
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 9
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 10
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 10
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中