台湾有事が「日本有事」を誘発する可能性大...最前線の南西部離島で広まる危機感、備えは十分か?
THE WAR PREP ISLANDS
大規模な戦争が勃発する可能性が現実味を帯び、準備が着々と進められている緊迫した様子を島の住民は確かに感じ取っている。政府が「台湾有事」と呼ぶ状況が現実のものになれば自分たちが最前線に立たされることに、多くの住民が危機感を抱いている。
防衛相の中谷元は1月に八重山諸島を視察し、避難対策を確認。与那国町での記者会見で、竹富町における住民避難の取り組みについて「実に綿密に、詳細にわたって計画されている」とし、「国境離島における強い危機意識」を感じたと述べた。
台湾周辺での中国軍の活発な軍事行動は今や常態化しているばかりか、さらに増えている。米アナリストのジェラルド・ブラウンとベンジャミン・ルイスが運営する公開データセット「PLAトラッカー」によれば、台湾は昨年、防空識別圏への中国軍機の侵入を3000回以上も確認した。それまでの2年間からほぼ倍増している。
台湾の防衛改革は着実に進んでいるが、アメリカ国内の台湾支持派はそのスピードが十分ではないと感じている。台湾の政界や軍、市民団体のリーダーたちはロシアと戦うウクライナから、国際社会の支持を得る方法、海上ドローンや高機動ロケット砲システム(HIMARS)の活用方法、侵略者への抵抗手段などに関する教訓を学ぼうとしている。