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台湾有事

台湾有事が「日本有事」を誘発する可能性大...最前線の南西部離島で広まる危機感、備えは十分か?

THE WAR PREP ISLANDS

2025年7月24日(木)14時50分
ジョン・フェン(東アジア政治担当)

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与那国島(写真)は台湾からも、中国が領有権を主張する尖閣諸島からも近い CARL COURT/GETTY IMAGES

日本国憲法は武力行使の放棄を明示しているが、政府は近年、憲法の解釈を変更する「解釈改憲」を行っている。その1つが集団的自衛権の限定容認だ。たとえ日本が直接攻撃されていなくても、集団的自衛権を行使し、アメリカや同盟諸国と共同で軍事行動を行うことがあり得るかもしれない。

12万人の避難に6日かかる

日本政府は先島諸島の5市町村に避難シェルターの建設費を補助する。台湾の東方約110キロに位置する最西端の与那国島の与那国町では、27年度末をめどに開設。報道によれば、周辺にある竹富町、石垣市、多良間村、宮古市でも、2週間程度の滞在が可能なシェルターを順次整備する予定だ。


沖縄県には、日本国内に駐留する約5万4000人の米兵のうち約3万人が駐留している。太平洋の要衝である沖縄には、アメリカの陸海空軍および海兵隊の基地があり、日米共同演習は与那国島でも行われている。

日本政府は、武力攻撃が予測される場合、先島諸島5市町村の島民を九州7県と山口県に避難させる計画を立てている。だが政府の試算によれば、約12万人の民間人を海路・空路で避難させるには6日程度かかる。与那国町のシェルターの場合、避難できなかった島民を最大200人まで収容可能な受け皿として機能を果たすことが想定されている。

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