米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケット軍」の実力
US Military Issues Update on China's Rocket Force Threat

人民解放軍ロケット軍のミサイル実験(2022年8月4日、場所不明) China Eastern Theatre Command/Handout via EYEPRESS
<「空母キラー」と呼ばれる極超音速ミサイルなど一部の装備では既に米軍を上回り、台湾有事やアメリカとの衝突に備えて急速に核戦力増強を図る人民解放軍ロケット軍(PLARF)が大きな脅威になりつつある>
中国軍のミサイル部隊「ロケット軍」は実戦能力を強化し、アジア太平洋地域の米軍基地や同盟国にとってますます大きな脅威になりつつある――米国防総省の高官が指摘した。
中国人民解放軍ロケット軍(PLARF)はミサイルや核兵器を扱う部隊で、アジア太平洋地域でアメリカを上回る軍事大国になることを目指す中国にとって重要な戦力だ。
ロケット軍の戦力は、たとえば「空母キラー」とも呼ばれる極超音速ミサイルなど一部の分野では既にアメリカを上回っている。実戦で使用されたことはないが、戦時において米軍の接近を阻止できる可能性がある。
米空軍および宇宙軍の幹部が上院歳出委員会の予算公聴会向けに作成した書面には、「人民解放軍ロケット軍は戦略的抑止力を強化するための長期的な近代化計画を進めている」と記されている。
中国軍は、いわゆる「第一列島線」内のあらゆる地点に到達可能な地上発射型巡航ミサイル400発を保有すると推定されている。第一列島線とは日本からインドネシアにかけて中国が独自に設定した軍事防衛線のことだ。
米軍もこれを、台湾有事の際などに中国海軍を封じ込める重要な境界線と考えている。