米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケット軍」の実力

US Military Issues Update on China's Rocket Force Threat

2025年7月1日(火)19時06分
マイカ・マッカートニー

ロケット軍は、より遠方にある標的を攻撃するための中距離弾道ミサイルを1300発配備していると考えられており、グアムにある米軍基地を含む外洋の「第二列島線」が射程に入っている。

さらに500発の中距離ミサイルがアラスカやオーストラリアの一部が射程内に入る。

台湾海峡を軽く飛び越える短距離弾道ミサイルは900発、核弾頭を搭載して世界中どこにでも届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)も400発ある。

中国が極超音速ミサイル技術の分野で飛躍を遂げていることも、アメリカにとって大きな懸念材料だ。これらのミサイルは音速の5倍以上で飛行し、迎撃がきわめて困難とされている。

特に「東風17」極超音速ミサイルは旧式のミサイルシステムに取って代わる存在になりつつあり、太平洋西部にある外国の基地や海軍資産を攻撃できる可能性があると、前述の米国防総省の高官らは指摘した。

核弾頭も数では依然としてアメリカとロシアに大きく後れを取るものの、近年増強が進んでいる。専門家は、習近平国家主席がアメリカに対する核抑止力を重視していることが背景にあると分析している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック反落、ハイテク株に

ビジネス

米ISM製造業景気指数、6月は49.0 関税背景に

ビジネス

米5月求人件数、37.4万件増 関税の先行き不透明

ワールド

日本との合意困難、対日関税は「30─35%あるいは
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    未来の戦争に「アイアンマン」が参戦?両手から気流…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中