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狭まるトランプ包囲網、NY州最高裁が召喚命令。「刑事訴追も近い」と元検事

Trump's 'Days Are Numbered'—Kirschner Predicts Ex-President to Be Indicted

2022年2月21日(月)18時15分
ジェイソン・レモン

進退極まった?(2020年、国立公文書館でアメリカの歴史について演説するトランプ) Kevin Lamarque-REUTERS

<関連企業の詐欺疑惑に機密文書の持ち出し問題......「もはや崖っぷち」との見方も>

元米連邦検事でテレビの法律問題解説者を務めるグレン・カーシュナーは18日、ドナルド・トランプ前大統領に「残された時間は短い」と述べ、訴追される日は近いとの見方を示した。

ニューヨーク州最高裁判所は17日、トランプと2人の子供(ドナルド・トランプ・ジュニアとイバンカ・トランプ)に対し、召喚に応じて宣誓証言を行うよう命じた。トランプ一族を巡っては、関連企業による詐欺の疑いでニューヨーク州司法長官が民事事件としての調査を進めている。

カーシュナーは19日、ツイッターに短い動画を投稿。州最高裁の決定について解説するとともに、現状について分析を加えた。

「ドナルド・トランプは訴追されるだろう」とカーシュナーは主張した。「どこが最初に訴追するかは分からないが、訴追はされるだろう」

カーシュナーは「まだこれで終わりではない」と、事態の推移を注目するよう呼びかけた。「ドナルド・トランプに対する捜査の包囲網は狭まりつつある」とカーシュナーは言い、トランプに「残された時間は短い」と主張した。

「もうすぐだ。今すぐとは言えないが、正義はまもなく実現する」とカーシュナーは述べた。

答えても答えなくても不利に働く可能性

カーシュナー以外の法律の専門家からもトランプの選択肢は限られてきているとの見方が出ている。

「もしトランプが黙秘権を行使したら、ニューヨーク州司法長官が進めている民事案件(の調査)でトランプに不利に働く可能性がある」と、元連邦検事のレナート・マリオッティはツイートした。「(かといって)もし黙秘権を行使しなければ、(刑事事件として捜査している)マンハッタンの地方検事に不利な形で証言を使われかねない。もはやにっちもさっちもいかない状態だ」

ハーバード大学のローレンス・トライブ教授(憲法学)も「トランプ三銃士が(裁判所の)命令から何とか逃れようとしているさまを見るといい!」とツイートした。もし召喚に応じなければトランプと子供2人は「法廷侮辱罪で刑務所行きになるかも知れない。みっともないオレンジ色の囚人服から逃れる唯一の方法は(捜査に)協力することだ」

トランプ自身は17日の声明で、州最高裁の命令をこき下ろした。

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