最新記事

東南アジア

8メートルの巨大ニシキヘビ、漁師を締め上げ インドネシアのジャングル、6人がかりの格闘で救出

2018年12月7日(金)17時11分
大塚智彦(PanAsiaNews)

体長8メートル超の巨大ニシキヘビとの死闘 Ronal Efendi Coto / Facebook

<自然の脅威がまだ残るインドネシアで、漁師が世界最大級のニシキヘビに襲われる事件が起きた>

インドネシアのスマトラ島中央部の西スマトラ州パリアマン県のジャングルにある小川で漁をしていた男性が誤ってニシキヘビを踏みつけ、足首付近をニシキヘビの体に絡まれる事故が起きたことが12月5日に報じられた。

報道では駆けつけた仲間が必死にニシキヘビを振りほどこうと努力の末、男性は無事に救出されたが、このニシキヘビの体長は約8メートル20センチと世界的にも最大級であることがわかった。

インドネシアでは巨大ヘビに人間が襲われる事故が頻発しており、女性が生きたまま丸呑みされて死亡する事案も報告されている。

パリアマン県のジャングル内にある小川でウナギを捕獲しようとしていた漁民の男性、タン・ガルアンさんが11月24日、ジャングル内の小川でウナギなどを捕獲しようと歩いていて誤ってニシキヘビの体を踏んでしまった。タンさんは「最初は木の根っこだと思って踏んだら、変な感触だったのでヘビだとわかった。驚くとともにショックだった」と話している。

あわてたニシキヘビは長く太いその体でタンさんの足首に絡みついたという。助けを求めるタンさんに気づいた漁民仲間5人が駆けつけ、ニシキヘビを必死に押さえつけたり、叩いたりして救出を試みた。

漁民の1人はニシキヘビが噛みつかないようにと頭の部分を懸命に押さえ込んでいたという。

数分間の格闘の末にタンさんの足首は解放されたものの、別の漁民の脚が絡まれそうになり、再び懸命の救出劇が繰り返されたという。

この時の巨大ニシキヘビと格闘する漁民たちの様子は近くにいた仲間が動画撮影しており、その様子はfacebookにアップされている。

動画の中では漁民たちが危険を避けながら「awas(危ない)」と掛け声をかけて泥の中でニシキヘビと必死に格闘する様子が生々しくとらえられている。

最終的にニシキヘビの生け捕りに成功した漁民たちは金網の檻(おり)にニシキヘビを保管して近くの村に持ち帰った。

タンさんは「私たち漁民はいつも小魚の漁をしているが、こんなに大きな獲物が手に入ったのはご褒美のようなものだ」としたうえで「しかし私たちの宗教(イスラム教)ではヘビを食べることを禁じているので、残念ながら食べることができない」と話していた。仲間と相談した結果、村など住民の生活区域から遠く離れた山間部にニシキヘビを運んで、そこで解放したという。


世界最大級のニシキヘビとの死闘 Ronal Efendi Coto / Facebook

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、航空便の混乱悪化を警告 政府閉鎖長期化で

ワールド

トランプ氏、サンフランシスコへの州兵派遣計画を中止

ワールド

トランプ氏、習主席と30日に韓国で会談=ホワイトハ

ワールド

ガザ地表の不発弾除去、20─30年かかる見通し=援
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中