最新記事

事件

ラスベガス銃乱射、凶弾は妻をかばった夫や4児のシングルマザーも犠牲に

2017年10月5日(木)17時00分

10月4日、米ラスベガスで1日、ホテルの高層階から野外音楽フェスティバル会場を狙った銃乱射事件では、4児のシングルマザーや妻を守ろうとした看護師など58人が犠牲となった。写真はソーシャルメディアなどに掲載された犠牲者。提供写真(2017年 ロイター)

米ラスベガスで1日発生した米史上最悪の銃乱射事件では、教師やスカイダイビングが趣味の3児の母親など58人が犠牲となった。

ホテルの32階の部屋から野外音楽フェスティバル会場を狙って銃を乱射した後に自殺したスティーブン・パドック容疑者(64)の犯行の動機は依然不明。同容疑者と同居していた恋人の女性(62)も、容疑者の計画について何も知らなかったとの声明を発表した。

家族や友人などによって4日までに確認された一部の犠牲者の名前とプロフィールは以下の通り。

●デニス・コーエンさん

息子2人の母親であるコーエンさんは、恋人のデリック・ボー・テイラーさんと一緒にコンサートを見に来ていた。テイラーさんも今回の銃撃で死亡したと、ABC関連局が伝えた。コーエンさんは不動産マネージャーで、週末には米カリフォルニア州のアボカドフェスティバルでボランティアをする予定だったという。

●ハンナ・アーラーズさん(35)

カリフォルニア州ムリエータ在住のアーラーズさんは3児の母。スカイダイビングやアウトドアが趣味だったと、ロサンゼルスタイムス紙は伝えた。

●サンディ・ケイシーさん

ケイシーさんは、米カリフォルニア州の中学校特別学級の教師だったと、サンディエゴのKGTVが伝えた。同僚教師グループとともにコンサートに来ていたという。

●リサ・ロメオムニスさん

ロメオムニスさんは、ニューメキシコ州ギャラップの高校の事務職員だった。同州の地元紙が伝えた。最近では、処分を待つ生徒のサポート役を勤め、外交的で、親切で思いやりがある人柄だったという。

●ジョーディン・リベラさん(21)

リベラさんは、カリフォルニア州立大サンバーナーディーノ校でヘルスケア管理を学ぶ大学4年生だった。同州ラベルヌ出身で、ボニータ高校を卒業。同大のモラレス学長は、「彼女の温かくて楽観的な人柄や、エネルギーや親切な心を忘れないだろう」とフェイスブックに書き込んだ。

●ジェシカ・クリムチャクさん(28)

クリムチャクさんは、カナダのアルバータ州在住で司書として働く、4人の子どもを持つシングルマザーだった。婚約者と共にラスベガスを訪れていたと、カナダのグローブ・アンド・メール紙が報じている。「とても良い母親で、4人の素晴らしい子どもを立派に育てていた」と、クリムチャクさんの祖母マーガレットさんが同紙に語った。

●ソニー・メルトンさん(29)

テネシー州ビッグサンディ在住のメルトンさんは射殺される直前に妻ヘザーさんを救った。「彼が私をつかんで走り出した直後に、彼が背中を撃たれたのが分かった」とヘザーさんはナッシュビルのWSMV-TVに語った。メルトンさんは看護師として、ヘザーさんは整形外科医として地元の病院で働いていた。

●クリス・ロイバルさん(28)

カリフォルニア州コロナ在住のロイバルさんは退役海軍軍人で、アフガニスタンでの従軍経験があった。胸を撃たれて死亡した、と妻ディクシーさんがロイターに語った。アフガニスタン従軍の記憶に悩まされながらも、冒険好きで人生を楽しもうとしていたと、ディクシーさんは話す。「音楽が大好きで、いつも何か歌っていた。カラオケが得意だった」。彼の腕に描かれたたくさんのタトゥーには、かつて住んだラスベガスを称えたものもある。退役後は、ジムに勤務していた。

●ジャック・ビートンさん

カリフォルニア州ベイカーズフィールド在住で、バーベキューレストランのグリル責任者として働いていたビートンさんは、妻の身を守ろうとして亡くなった。23ABCニュースが伝えた。息子がビートンさんの死を確認したという。

●アンジー・ゴメスさん

ゴメスさんは、2015年にカリフォルニア州リバーサイドの高校を卒業した。同校はフェイスブックに、「彼女は常に同窓生に愛され、慕われるだろう」と書き込んだ。

●エイドリアン・マーフィットさん(35)

アラスカ州アンカレジで漁師として働くマーフィットさんは、親友のブライアン・マッキノンさんと一緒にコンサートに来ていた、とアラスカ・ディスパッチ・ニュースが報じた。2人で写真を撮っていた時に、銃弾がマーフィットさんの首を貫通した、とマッキノンさんは同紙に語った。

●メリッサ・ラミレスさん(26)

ラミレスさんは、カリフォルニア州アンテロープ・バレーで育ったと、従姉妹のファビオラ・ファルネッティさんがニューヨーク・タイムズ紙に語った。カリフォルニア州立大ベイカーズフィールド校でビジネスを専攻し、自動車保険会社に勤務していた。ラミレスさんの両親はメキシコからの移民で、米国籍を取得しているという。

●ベイリー・シュバイツァーさん(20)

シュバイツァーさんは、カリフォルニア州ベイカーズフィールド在住だと、彼女の兄弟がベイカーズフィールド・カリフォルニアン紙に語った。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中