最新記事

北朝鮮情勢

中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗

2017年9月4日(月)18時04分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

休戦協定に違反しているのはアメリカと韓国

忘れてならないのは、アメリカと韓国が朝鮮戦争(1950年~53年)の休戦協定に違反した行動をとっているということだ。このまま続ければ第三次世界大戦になることを恐れたアメリカが休戦すべきと提案したのに、韓国の李承晩大統領が聞き入れず「休戦したくない。韓国一国でも戦いたい」と駄々をこねたので、アメリカはやむを得ず米韓相互防衛条約(米韓軍事同盟)を結んだ。休戦後3ヵ月以内に全ての他国の軍隊は朝鮮半島から撤退するという休戦協定に署名しながら、一方では米軍は永久に韓国から撤退しないという米韓軍事同盟にサインした(詳細は『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』第3章「北朝鮮問題と中朝関係の真相」)。

スタートからダブルスタンダードを取ってきたツケが、いま日本を巻き込んだ関係国に襲い掛かっている。

それを正視せず、圧力を強化していくと宣言するアメリカに同調するばかりの日本。それによって日本国民を守れるのか。本当に日本国民の生命安全を優先していると言えるのだろうか?

政治経験の長い安倍首相は、政治経験のないトランプに、事実を正視し、知恵を絞るようアドバイスするくらいの関係でいてほしいと望む。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

この筆者の記事一覧はこちら≫

ニュース速報

ワールド

米つなぎ予算が失効、政府機関が一部閉鎖 上院で合意

ビジネス

米政府機関閉鎖、トリプルA格付けに直接影響せず=フ

ワールド

米軍、中露との競争が最優先事項 対テロから方針転換

ビジネス

米国株は消費関連株主導で反発、S&Pとナスダックは

MAGAZINE

特集:トランプ暴露本 政権崩壊の序章

2018-1・23号(1/16発売)

予想を超えて米政治を揺さぶるトランプ暴露本──。明かされた大統領の「難点」は政権崩壊の引き金となるか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    日本の2社しか作れない、世界の航空業界を左右する新素材

  • 2

    フィンテックの台頭でお堅い銀行が様変わり

  • 3

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせた理由

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    世界の「日本人ジョーク」に表れる、安倍首相の際立…

  • 6

    自ら考える部下の育て方は「日本一オーラのない監督…

  • 7

    アメリカの「政府機関閉鎖」と「債務上限問題」の基…

  • 8

    「地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降る」ホー…

  • 9

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 10

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワンを予想

  • 3

    日本の2社しか作れない、世界の航空業界を左右する新素材

  • 4

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 5

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 6

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせ…

  • 7

    「休みたいから診断書をください」--現役精神科医「…

  • 8

    ウディ・アレン「小児性愛」疑惑を実の息子が告発

  • 9

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 10

    インドの女子大生がレイプ防止パンティを開発

  • 1

    北朝鮮による電磁パルス攻撃の現実味

  • 2

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 3

    決断が日本より早い中国、でも「プチ大躍進」が悲劇を生んでいる

  • 4

    朝鮮半島で戦争が起きれば、中国とロシアはアメリカ…

  • 5

    韓国大統領が中国で受けた、名ばかりの「国賓待遇」

  • 6

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 7

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 8

    金正恩がアメリカを憎悪するもっともな理由

  • 9

    中国当局、韓国への団体旅行を再び禁止 「禁韓令」…

  • 10

    南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に…

日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告セールス部員募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月